「他の番組には出演禁止?」人気投資家・桐谷さんを縛ったテレビ局に批判の声 過去には料理研究家・リュウジ氏も不満漏らす

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その撮影では5時間拘束されてギャラが2万円だったということも明かしていた。この件に関しても、不当な囲い込みをして出演者を酷使している疑惑が持ち上がり、日本テレビに対して批判の声があがった。

もちろん、局側にも言い分はあるだろう。番組で育てたキャラクターがほかの番組に登場することで「番組の世界観が壊れる」「イメージが崩れる」といった懸念は理解できなくもない。

『月曜から夜ふかし』の場合、桐谷さんの「面白い一般人」というキャラクターは番組演出によって作り上げられた部分もあり、局側としては「うちの番組の財産」という感覚があったのかもしれない。

だが、その発想は「人間をコンテンツ化して、駒のように扱う」という旧来のテレビ的思考そのものであり、今の時代には馴染まない部分がある。出演者が番組に貢献してきた功績を尊重するなら、むしろ桐谷氏の自由な活動を応援すべきだろう。

囲い込みのために追加のギャラを払う手法も

もちろん、囲い込みをするために追加のギャランティーを支払うという手もある。これに関してもギャランティーの具体的な金額がわからないのでたしかなことは言えないのだが、一般論として、芸能事務所に所属していない桐谷氏のような人が、テレビに出演する際に一流芸能人のような高額の報酬を受け取っている可能性は低い。桐谷氏がほかの番組に出る可能性を潰すことに金銭的な補償がなされていないのであれば、それは不当な扱いだと言わざるをえない。

今の時代の視聴者は、閉じられた業界的ルールや不透明な力関係により敏感になっている。出演者を縛ることよりも、共に成長していく姿勢を見せることで視聴者の共感を得ることができる。テレビ局がこのような旧態依然とした囲い込み的姿勢を続けていれば、ますますテレビ離れは加速していくことになるだろう。

ラリー遠田 作家・ライター、お笑い評論家

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らりーとおだ / Larry Tooda

主にお笑いに関する評論、執筆、インタビュー取材、コメント提供、講演、イベント企画・出演などを手がける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『松本人志とお笑いとテレビ』(中公新書ラクレ)、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)など著書多数。

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