「経営者は"100億円の事業"ってよく言うが…」「新規事業に関わる人全員」が絶対に知っておくべき"そもそもの大前提"

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それでは、新規事業は「大変なわりに数字としては小さい」という程度のものなのでしょうか。企業経営において、意味ある数字インパクトをもたらすことなんて不可能なものなのでしょうか。

違います。

断言しますが、新規事業とは、それを生み出したあとに「適切な形」で経営者が活用することさえできれば、企業全体の価値を非連続的に高める存在に昇華させることができるものです。

生み出したあと「適切な形」で経営者が活用できるか

企業価値1000億円の既存事業をがんばって伸ばしても、どうやっても 1100億円程度までしか企業価値の向上が見えない。そんな企業グループにおいて、2000億円や3000億円といった非連続的な企業価値の向上を実現するための仕掛けに昇華させることができます。

しかし、新規事業単体のパフォーマンスは「日本最高の起業家」が取り組んだところで「10年で30億円」というのも厳然たる事実です。

では、どうしたらいいのでしょうか? 

考え方を変える必要があります。新規事業とは「単体で放置する」ものではないのです。

生み出した新規事業は、それ単体を大きくすることが目的なのではなく、企業全体を変革するための「キラーカード」として取り扱うこと。

つまり、生み出した新規事業という「要素」を、後続の経営行為に「接続していく」

そうすることで「インパクトレベル」を引き上げ、「意味を持つもの」にしていける行為こそが、いま日本の大企業にとって求められている「新規事業の正しいトリセツ」なのです。

麻生 要一 『新規事業の経営論』著者・アルファドライブ代表取締役社長兼CEO

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あそう・よういち / Yoichi Aso

株式会社アルファドライブ代表取締役社長兼CEO。

東京大学経済学部卒業後、新卒で株式会社リクルートへ入社。社内起業家として株式会社ニジボックスを立ち上げ、創業社長として150人規模まで企業規模を拡大後、リクルートホールディングスの新規事業開発室長に就任。1500の社内起業家チームの創業と、300社のスタートアップ企業の創業期を支援したのち、2018年に起業家に転身し、アルファドライブを創業。

アルファドライブは創業後7年で、200社を超える日本を代表する大手企業での新規事業開発を支援し、創出に携わった新規事業プロジェクト数は2万を超える。230を超える事業が本格的に立ち上がり、成長段階へと移行している。

また、アミューズ社外取締役、アシロ社外取締役などプロ経営者として複数の上場企業の役員も務め、投資家としての顔も持つ。

初の著書『新規事業の実践論』は5万部を超えるベストセラーになっており、待望の2作目となる『新規事業の経営論』は発売前に増刷が決まるなど、発売当初から大きな話題を呼んでいる。

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