「NHK ONE」騒動で露見した《公共放送》が抱える矛盾、NHKに再び質問を送ってみたら回答書が"ツッコミどころ満載"だった
3つ目の質問は「契約しなくても『NHK ONE』が使えると、業界団体が怒らないか」というものだ。
NHKのネット必須業務化を議論する総務省の有識者会議では、NHKのテキストニュースが無料で読めることに日本新聞協会や日本民間放送連盟が執拗に異議を唱え、契約者以外にはアリも漏らさぬようにせよと猛烈に意見していた。今の状態ではまた怒られるのではないか。

これに対しては「NHKでは、NHKのインターネットのサービスが他の事業者のサービスの公正な競争の確保に支障がないか、調査を行っています。調査結果は有識者や日本新聞協会メディア開発委員会、日本民間放送連盟にもお示しし、総務省における関係者の会議でもご意見をいただいているところです」とのことだ。
「問題ありませんでした」ということではなく、「ご意見をいただいているところ」だという。どうなることやら……。私の目から見ると、フリーライダーなら読み放題・見放題なので、異論反論が洪水のように押し寄せそうだ。
キーパーソンの退局で「NHK ONE」はどうなる?
ここでちょっと気になるのは、必須業務化にあたり放送法の解釈などの理論をリードし、一方で業界団体との折衝でも表に立っていたと言われる人物が、昨年12月に奇妙な咎(とが)を受けて失脚し、年が明けてからNHKを退局していることだ。
こんな事件が起きるのもNHKが「伏魔殿」と言われるゆえんだが、NHKは今後も、各業界団体とネットサービスが適正かどうかを折衝していく必要がある。大丈夫なのだろうか。
いずれにせよ、「公共放送」の矛盾をはらんだまま「NHK ONE」は船出した。この矛盾が解消するかどうか、引き続きウォッチしていきたい。
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