「NHK ONE」騒動で露見した《公共放送》が抱える矛盾、NHKに再び質問を送ってみたら回答書が"ツッコミどころ満載"だった

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

不可解な変更に当惑した。登録しないとダメならダメでいい。受信料を払ってないと利用できないはずだから、登録せずに使えたことがおかしかったのだ。

だが、「あとで登録する」の選択肢を残している。しかも、「どうか気づきませんように」と祈るかのように、よく見ないと気づかない位置と大きさにしてある。なぜだろうか。この疑問は、これから説明する「2回目の回答書」を読むと、「こういうことかな」と思い至る。

前回の記事で、NHKの広報局にメールで質問したら回答書を返してくれたことを書いた。それを読むと新たな疑問が出てきたので、再度質問をしたところ、10月9日に新たな回答書が届いた。

回答書でも拭い切れない「あやふやさ」

質問は3つあったのだが、先に質問2「登録しなくても利用できるなら、フリーライドをどう抑止するのか」への回答から見ていこう。

NHKからの回答書②
フリーライドに関する質問と、それに対するNHKの回答(画像:筆者提供)

回答書には「受信契約の登録・連携を行っていないお客様に対しては、NHK ONE のウエブサイトや各アプリをご利用の際に、『NHK ONE アカウント』の作成や受信契約情報の登録・連携を勧奨するメッセージを、画面の上にかぶせる形で表示します」とある。

この「勧奨するメッセージ」が、前述した私のテレビに出てきた表示を指しているかはわからない。だが、確かに「画面の上にかぶせる形」だった。とはいえ、前述のとおり、「あとで登録」が小さいけれど表示されるのだから、フリーライド(タダ乗り)抑止にならないのではないか。

フリーライダーは「なんとか契約せずに見たい」と考えるだろうから、「あとで登録」が示される限り「抑止」はできないと思う。

このあやふやさは、この回答の前半に表れている。最初に「NHK ONE は、どなたでもご利用できるサービスです」と書かれている。それに続いて、「受信契約を締結されていない方が利用された場合は、ご契約の手続きが必要になります。サブスクとは異なり、契約をした方だけが利用できるサービスではありません」とある。

次ページまるで“禅問答”…
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事