「月300時間労働、徹夜が当たり前」だった人気ラーメン店経営者が残業削減に舵を切ったワケ
ここで大きな役割を果たしているのが、環境整備と経営計画書です。
環境整備は生産性を上げる取り組みです。同じ仕事が短い時間でできるようになることで、働く時間が短くなるだけでなく、店舗では回転数の増加にもつながります。また、業務改善も進みます。
さらに、経営計画書で、残業を減らす方針を打ち出しているため、残業が多いと方針違反で評価が下がります。評価を下げたくないから、残業が減り、残業が減ると経費削減になります。

一方で、残業が減ると残業代による収入が減るため社員から反発があることも予想されます。ですが、お客様増によって増えた売上、残業が減ったことによって削減された経費で、残業時間を短くしても、給料を増やしていくことは可能です。
残業時間の削減は計画的に取り組まないと、安定して減らすことはできません。経営計画書に方針として打ち出すことは残業削減の実現に不可欠です。
残業時間削減は健康経営の実践になる
私が残業時間削減にこだわっているのは、過重労働が社員の健康を蝕むからです。そこには個人的な理由もあります。
私は父を病気で早くに亡くしているため、「健康こそ最高の財産である」と考えています。
父が亡くなったのは48歳。私自身、年齢を重ねていくごとに、その歳までしか生きられないんじゃないかといった、強迫観念に近いものを抱えています。