JR東日本が重視する「ステークホルダー」は誰だ? 運賃改定、従業員給与、株式配当を分析してみると…

JR東日本は、どこを向いて経営しているのか。
ステークホルダーという経済用語がある。企業の株主、社員、顧客、取引先、金融機関など利害関係者を指す言葉だ。こうしたさまざまな立場の利害関係者と良好な関係を維持することが持続的な経営に欠かせない。
では、2024年度決算で4期連続の増収増益を達成したJR東日本はどうだろうか。売上高は2兆8875億円で、本業の儲けを示す営業利益は3767億円。鉄道事業と関連事業のいずれにおいても増収増益となったが、この成果はすべてのステークホルダーに還元されているのだろうか。
来年の運賃改定で見えてきたこと
まず顧客、すなわち乗客の視点で考えてみたい。JR東日本は売り上げ増加の一方で、コスト削減に向けた動きも進む。みどりの窓口の大量閉鎖や京葉線での通勤快速の廃止が行われ、今後は津軽線や久留里線の一部区間の廃止が実施される予定だ。
そして2026年3月からは運賃値上げも予定されている。値上げ率は普通運賃と定期運賃を合わせて平均7.1%。値上げの理由は、「沿線人口の減少に加えて、昨今の物価高や人材の確保といった経営環境の変化に対応し、安全・サービスの維持向上、車両・設備の更新、激甚化する災害への対応等のため」という。
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