ワイン、コーヒー、アートまで「フランスのサービスエリア」が実にフランスらしかった

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タイヤメーカーのミシュランは、旅のガイドブック(ミシュランガイド)や食の格付け本(レストラン・ホテルガイド)などの発行でも知られているが、道路地図にも定評がある。

紙の地図を使って旅をしてきた筆者のような者にとって、サービスエリアに豊富な地図が置かれているのを見るのは、何となくうれしいものだ。

プロヴァンスのサービスエリアでは香水なども販売されていた(筆者撮影)

食事のバラエティさは日本が一番

サービスエリアは、旅行者にとって食のオアシスでもある。フランスに限らずヨーロッパ各地でドライブ旅行をする場合、一般道で食事をする店を探すのは容易ではない。

日本では都市の郊外に、ラーメン、うどん、パスタ、回転すしなどの飲食店(とりわけ駐車スペースを広く取った全国チェーン店)が多いが、フランスの郊外にそういった店は“ほぼゼロ”といってよい。また「道の駅」のような施設も見かけない。

しっかりしたレストランを街中で探すこともできるが、こうした店だと入店から注文、そして食事、お勘定とかなり時間がかかる。その意味でも、サービスエリアの食事処の存在はありがたい。

サービスエリアの食事コーナー。温めて出してくれる(筆者撮影)

ただし、ラーメン屋や丼の店、和洋中がそろうファミリーレストラン……と日本のようにバラエティに富んではおらず、パン(総菜パンを含む)やピザ、ハンバーガーなどを扱う店がほとんどだ。

たまにチェーン店が入っていても、マクドナルドやバーガーキングであり、日本で受けられるようなサービスエリアごとの食事の楽しみというにはほど遠い。日本のサービスエリアが、食とお土産の充実度で世界のトップクラスであることを実感する。

今回の旅では、サービスエリアのユニークな催しに出会った。それはポール・セザンヌの故郷に近いサービスエリアで開かれていた「美術展」である。

セザンヌの絵が飾られているサービスエリアの施設(筆者撮影)

セザンヌは、南フランスの「エクス=アン=プロヴァンス」に生まれた画家。印象派から後に新たな絵画手法を開花させ、近代絵画の父と呼ばれるフランスの巨匠である。

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