気象情報のウェザーニューズ、電力市場に参加する企業や電力トレーダーたちが新たな顧客層に
「日本の電力取引を始めるなら、詳細な気象情報は不可欠だ」。こう話すのは、シドニー在住のトレーダー、アントニー・ステイス氏だ。天候と電力市場は密接に関係しており、わずかな気象条件の変化が卸売価格に影響を与える。信頼性の高い情報を得られるかどうかは、電力トレーダーの死活問題になる。
ステイス氏は「例えば、明日の東京で午後3時から5時までの日射量がわかれば、トレードに大きな違いが生まれる」と説明する。
黎明期の日本
日本では16年に電力の小売りが全面自由化され、20年には欧州エネルギー取引所(EEX)が日本向けの電力先物取引を始めた。欧米に比べて発展途上とされるが、異常気象の頻発や原発再稼働の不透明さといった要因が、むしろ市場の成長を後押しする。
さらに、再生可能エネルギーの活用が徐々に広まる中、太陽光や風力などの電源が天候の影響を受けやすいことも、電力先物市場への参入を増やしている。EEXによると、日本の電力先物取引の参加者が5月に100社を突破した。

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