着物姿の長澤まさみ「人の"いい部分"を少しずつ取り入れてきた」、キセルで絵をダメにする演技で感じた儚さと執念とは?

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――だからこそ、応為のような自由が生まれた?

(撮影:長田慶)

そうでなければ、あんなに自由には生きられなかったと思います。どの時代にも“自由”を選ぶ人はいて、ときに変わり者と見られることもあったでしょう。でも“自由”と“粋”は強く結び付いていたのだと思います。最近は私自身も“自分にとっての幸せとは何か”“満たされる価値観はどこにあるのか”を考えることが増えました。人によって違うし、時期によっても変わりますよね。

――その“幸せの価値観”を探す感覚は、作品のメッセージとも重なりますね。

でも、応為や北斎にとっては“描くこと”そのものが幸せの価値だった。シンプルだけど、とても豊か。小さなことで満たされる精神を持つことは、本当に贅沢で素敵だと思います。

――演じていて、現代にも通じる部分はありましたか?

江戸という時代を自由に生きていた応為の姿を通して、“こんなに自分の思う通りに生きられるんだ”と気づかされました。今の女性像にもつながる現代的な人物だなと感じましたね。応為を演じて改めて、自分のやりたいことにまっすぐ向かう心意気の大切さを感じました。その姿勢は、これからの私自身にも強く影響していくと思います。

“次はどんな顔を見せてくれる?”―変化を楽しむ俳優でありたい

――長澤まさみという俳優は、この先どんな存在でありたいと思いますか?

(撮影:長田慶)

シンプルに言えば、作品を楽しみに待ってくださる方に、毎回“ちょっと違う楽しみ”を届けたいんです。甘いものを食べたら次はしょっぱいものが欲しくなるように(笑)、観客の方に「今回は全然違うね!」と驚いてもらえるような作品を届けたい。

今年は『ドールハウス』と『おーい、応為』。まったく色の違う作品ですが、その振れ幅こそが私自身をワクワクさせてくれるし、観てくださる方にもきっと新鮮な楽しみを感じてもらえると思います。常に新しい自分を試しながら、その変化ごと受け止めてもらえる俳優でありたいですね。

“長澤まさみってこういう人だよね”にとどまらず、“また新しい顔を見せてくれる”と期待される存在でありたい――そう思っています。

ヘアメイク/Morioka Yusuke スタイリスト/Otsuka Mitsuru

池田 鉄平 ライター・編集者

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いけだ てっぺい / Teppei Ikeda

Jリーグ、国内、外資系のスポーツメーカー勤務を経て、ウェブメディアを中心に活動。音楽一家で育ち、アーティストとしてインディーズでアルバムリリースも経験。スポーツ、音楽、エンタメを中心に取材活動を行っている。

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