着物姿の長澤まさみ「人の"いい部分"を少しずつ取り入れてきた」、キセルで絵をダメにする演技で感じた儚さと執念とは?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

仕事では、うまくいくこともあれば失敗もあって、そのたびに「自分って意外と変われるんだ」と実感してきました。自信って、人に与えられるものじゃなくて、自分で育てていくものなんだと思います。

――日々を過ごすうえで、大切にしている考え方はありますか?

生き方のテーマに「なるようにしかならない」があります。ただの諦めではなく、その時々の流れに身を任せたり、自然に心を寄せることが大事だと普段から思っているんです。

――役を離れる時間は、どう過ごしていますか?

(撮影:長田慶)

基本は、友人とたわいもない話をしたり、美味しいものを食べたり。そんなふうに普通の時間を過ごすことで、自然とバランスが取れるんです。

でも一方で、“体験すること”には意識的に時間を使っています。

今は特に美術館に夢中で、作品を観ながら感じるものを大切にしているんです。本で得る知識も好きだけれど、自分の目と心で触れる感覚のほうに、今はより惹かれますね。そうやって受け取った感動や余韻は、気づけば芝居にも滲んでいる気がします。

父をもしのぐ画才――応為という“自由な娘”をどう生きるか

映画「おーい、応為」ポスタービジュアル
公開日:2025年10月17日 配給:東京テアトル、ヨアケ ©︎2025「おーい、応為」製作委員会

長澤まさみが挑む初の時代劇主演作『おーい、応為』。

題材となるのは、江戸の天才絵師・葛飾北斎(永瀬正敏)の娘にして弟子、葛飾応為。

「悪かったな、北斎の娘で」―父をもしのぐ画才を持ちながらも、その名の影に生きざるをえなかった女性だ。男社会を豪胆に、そして自由に駆け抜けた稀代の絵師の人生が、スクリーンによみがえる。

次ページ絵を描く人の空気をまとう――俳優という“真似る仕事”
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事