「なぜ小川市長だけ話題に?」「逆にプロモーションになってる」群馬県前橋・小川晶市長の《ラブホテル密会》に世間が注目してしまうワケ

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それでも、「一般市民」という特定の相手ではない存在に、自身の主張を理解させて賛同をもらうのは、とてつもないハードルの高さでしょう。

しかも、説明を果たした市議会からは、進退を問う声が上がっています。

ここからの「逆転」は可能か?

6日の会見では、市民に向けた説明を行う旨も発表されました。これまで何より大事な一般有権者への説明がほとんどされてこなかったことは、大きな問題でした。

時間が経てば経つほど不信は広がり、さまざまな憶測や真偽不明な噂レベルのニュースも増えていきます。直接話すことには、一定の効果は期待できます。

市民との対話の場に出るなら、批判を一身に浴びる覚悟が必要です。「10回以上ラブホテルに行ったが、仕事上の用事であり、男女関係はない」という、民事なら勝ち目がないといわれるほど不利な説明をするのは悪手でしょう。

自分の言うことを信じてもらうしかないというのは、限りなく不可能に近い説得です。「なかったことの証明」が不可能である以上、報道への反論は説得力を持ちません。

わずかでも説得力を上げるのであれば、自らへ処分を課すという手があります。

不適切な行動と不信への責任ということで、まずは自ら報酬の自主返納、正式な懲戒委員会での審判も受けて、懲戒処分も受け入れる姿勢を示すなどをすれば、わずかですが説得力を持つでしょう。

自身の危機をどう乗り越えるのか、自ら招いたともいえる危機的状況は、引き続き多くの関心を惹きつけると思います。

増沢 隆太 東北大学特任教授/危機管理コミュニケーション専門家

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ますざわ りゅうた / Ryuta Masuzawa

東北大学特任教授、人事コンサルタント、産業カウンセラー。コミュニケーションの専門家として企業研修や大学講義を行う中、「危機管理コミュニケーションの一環で解説した「謝罪」が注目され、「謝罪のプロ」としてNHK「ドキュメント20min.」他、数々のメディアから取材を受ける。コミュニケーションとキャリアデザインのWメジャーが専門。ハラスメント対策、就活、再就職支援など、あらゆる人事課題で、上場企業、巨大官庁から個店サービス業まで担当。理系学生キャリア指導の第一人者として、理系マイナビ他Webコンテンツも多数執筆する。著書に『謝罪の作法』(ディスカヴァー携書)、『戦略思考で鍛える「コミュ力」』(祥伝社新書)など。

公式X:@senseimasuzawa

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