「日本一美しい…」人気高まる国鉄倉吉線の廃線跡 観光資源として再評価、鉄道路線として復活も?

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また、倉吉観光MICE協会では従来行っていた団体客をメインとした廃線跡トレッキングツアーだけでなく、個人でも参加できるイベントとして「旧国鉄倉吉線廃線跡ウォーキングオープンデー」を毎年複数回開催している。これにより、県内外の多くの方々に廃線跡を楽しんでもらえる事業を展開している。参加者からは「(線路の間から伸びる竹を見て)唯一無二の景色で感動した」「ノスタルジックな雰囲気が良かった」「レールの上を歩くという非日常が体験できた」といった感想が寄せられるという。

廃線跡ウォーキングの様子(写真:倉吉観光MICE協会)

今後の展望を倉吉市の担当者に聞いたところ「観光客の受け入れ環境の整備については、今後も引き続き改善を進める必要がある」と言い、2025年4月に「HOTEL 星取テラスせきがね」が開業したことをきっかけに、「訪れる人がより高い満足感を提供するとともに、地域への消費拡大につながる観光施策を検討したい」と話す。

また、倉吉観光MICE協会の担当者は、「季節に応じたライトアップや瞑想体験などリピーターを作るための新たな企画やイベント開催や、廃線跡グッズの開発‧拡充、日本ロストライン協議会の会員と連携した廃線跡をフックにした広域周遊施策強化をしていきたい。」としている。

廃線跡の鉄道復活の可能性

廃線跡の観光地化が功を奏し、さらなる観光客の受け入れが期待されている。近年はインバウンド客も増加傾向にあり、鳥取県内に2つある空港のいずれからもアクセス可能な倉吉市は、その期待が一層高まっている。

現在は廃線跡そのものを観光地として活用している段階だが、「廃線跡の一部復活」という新たな方法も模索してみてはどうだろうか。具体案としては、JR倉吉駅から市中心部の旧打吹駅周辺まで、約4km区間の再敷設である。現在のJR倉吉駅は中心市街地からやや離れた位置にあり、徒歩での移動には距離があると感じられる。すでに路線バスは運行しているが、バス路線は一般の地図にはほとんど記載されておらず、路線網も分かりにくいという欠点があるため、観光客には利用しづらい。鉄道による再接続は、利便性や回遊性の向上だけでなく、高齢者や学生、買い物客など地域住民の日常的な移動手段としても機能する可能性がある。

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