高市氏の補正予算編成は独自色をどこまで出せるか、財務省は大規模化を警戒

自民党の高市早苗総裁は今月半ばにも召集される臨時国会で、長引く物価高に対応する補正予算編成に臨む方針だ。診療・介護報酬引き上げや地方交付金の積み増しなどを検討するとみられるが、大規模補正となれば財政規律の観点から批判も出かねない。すでに財務省からは警戒する声も出ている。
診療報酬引き上げなど表明
そもそも補正予算は当初予算編成後に生じた事情の変化に対応する目的で認められる。近年では「秋の恒例行事」とも揶揄されるが、社会保障費など義務的経費の増加で当初予算の弾力性が失われる中、政権の「色」が垣間見える点で重視される面もある。
高市氏は総裁選期間中、物価高対策で多くの具体策を打ち出してきた。診療・介護報酬の引き上げや、自治体向け重点支援交付金の拡充、ガソリン暫定税率廃止などは喫緊の課題と位置づけ、補正予算での手当てを表明している。
米国の追加関税による自動車産業への影響を念頭に「年度末に向けてもし関税の影響が深刻に出てきた場合」と断った上で、「自動車税環境性能割を2年間に限定して停止する」意向も示している。石破政権下ではガソリン暫定税率廃止による税収減を補う自動車関係諸税見直しが検討されていただけに、政府内に与えるインパクトは小さくなさそうだ。