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「日テレの報道はやらせだ」「高市潰しの印象操作」と炎上…《外国人による奈良公園のシカ暴行》をめぐる"不毛な論争"がくり返されるワケ

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  • 西山 守 マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授
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そもそも、奈良にこれだけの外国人観光客が訪れ、シカと直接触れ合う環境があれば、観光客からのシカに対する暴力行為が起きてもおかしくはないし、その中に外国人が含まれていたとしても不思議ではない。

重要なのは、問題がどのくらい深刻な事態になっているのかということだ。

「ファクトチェック」が不毛な理由

もうひとつ筆者の経験を話しておきたい。20年近くも前のことになるが、ブラジルに行った際に、アマゾン川のジャングルツアーに参加した。

そのツアーにスイス人のヒッピー風の若者が参加していたが、禁止されているにもかかわらず、ジャングルの中でタバコを何本も吸ったり、立ち入り禁止のエリアに侵入したり、触れてはいけない植物に触ったりしていた。ガイドが何度も注意したが、彼は聞き入れることはなかった。

筆者は、スイス人は環境意識が高く、公共性も高い国民だ――というイメージを持っていたので、彼の行動は意外だったのだが、筆者が目にしたのは特殊なケースで、スイス人観光客一般に当てはまるものではないと理解している。

実際、これまで多くのツアーに参加したが、スイス人に限らず、外国人観光客でここまでマナーが悪い人は見たことはない。

メディアがいくら「ファクトチェック」を行ったところで、それを信じない人は、個別事例を“証拠”として反論してくるだろう。しかも、双方がいくら事実を積み上げていったところで、すべての事象を網羅することはできない。そして議論は延々とすれ違い続ける。

筆者としては、外国人によるシカへの暴力行為がどの程度広範に行われていて、それがどの程度の問題なのかが気になるのだが、メディアもインフルエンサーも、誰も言及してはいない。

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【批判の根底にあるもの】

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