「鬼滅の刃」のような強烈な"キャラ人気"とは異なる軸でファン拡大…「チ。―地球の運動について―」が示したキャラに依存しない作品の勝算

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
(出所)インテージ「IPファン-kit」

この線に近い位置にある作品は、「テーマ性」と「キャラクターデザイン」の両軸が評価されており、幅広い支持を得やすい傾向にあると考えられる。一方で、『チ。―地球の運動について―』は「テーマ性」への評価が突出して高く、「キャラクターデザイン」の評価は相対的に控えめという構図がデータから読み取れる。

つまり、『チ。―地球の運動について―』は、ヒット作品の中でもテーマ性が際立って評価され、その強みを軸に成長した点が特徴だといえる。

市場への示唆:テーマ性評価型作品の展開可能性

こうしたテーマ性が高く評価される作品は、今後どのように広がりが考えられるだろうか。キャラクター評価が高い作品とはメディアミックス展開の方向性が異なると思われる。

キャラクター評価が高い作品はグッズや商品タイアップとの相性が良いのに対し、テーマ性が高く評価される作品は、物語に結びついたイベントや、実写展開(映画化・ドラマ化・舞台化など)を通じて接点を増やしやすい。作品そのものの鑑賞体験を土台に、こうした場を段階的に重ねていくことで、接触機会を広げられる可能性がある。『チ。―地球の運動について―』は、その方向性を示す最新の事例といえるだろう。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事