新たな"キングメーカー"誕生? いやいや、もっと意外な展開も…? 退陣前に大暴れの石破首相に噂される「壮大すぎる野望」
確かに、総裁選の第1回投票で林氏が2位に食い込んで「小泉 vs. 林」の決選投票となった場合、「前回の石破票が林氏に集中すれば、林氏の大逆転勝利の可能性も出てくる」(自民党長老)。そのケースでは「昨年の岸田氏に代わって石破氏が“キングメーカー”になる」(同)という展開もありうるわけだ。
そうした中、石破氏は野党第1党である立憲民主党との協議にも意欲的に取り組んできた。9月19日には自民、公明、立憲民主の3党党首会談を行い、立憲民主党が訴える「給付付き税額控除」について、「政調会長を中心に協議体を立ち上げ、速やかに協議を始めたい」と約束。併せて、ガソリン税の暫定税率廃止や政治改革に関する協議の継続、社会保障制度の将来像の議論も提起した。
石破首相の狙いは、総裁選で決まる新総裁に「石破路線」を継承させるための環境づくりだが、「野党第1党としての主導権維持」を目指す立憲民主党の野田佳彦代表の思惑と一致していることも計算した動きであることは間違いない。
中曽根氏の俳句を地で行く“再登板”狙いも
そうしたことも踏まえて、多くの政界関係者が注目しているのが、「総裁選を経て誕生する新政権での、石破氏の政治的立ち位置」だ。
石破氏を含む自民党現職の首相経験者は、麻生太郎氏、菅義偉氏、岸田氏の4氏となり、唯一残った麻生派を率いる麻生氏だけでなく、岸田、菅両氏も「実質的には派閥やグループの“領袖”」(政治ジャーナリスト)である。これに対して、「石破氏はほかの3氏に比べて党内基盤が脆弱で、いわゆる“キングメーカー#の一角となるのは困難」(自民党長老)との見方が支配的だ。
ただ、石破氏は岸田氏と同年齢(68歳)で、麻生氏(85歳)、菅氏(76歳)より若い。そのため、「岸田氏と競い合う形で政局に関与していくことは可能」(同)との指摘も出始めている。
そこで政界関係者の間で話題となっているのが、故中曽根康弘元首相(故人)が詠んだ「暮れてなお 命の限り 蝉しぐれ」という俳句だ。
長期政権で権勢をふるい、いわゆる「中曽根裁定」で竹下登氏(元首相、故人)を後継指名し、その後も“元老”として政権争いで影響力を示し続けた。その中曽根氏は「したたかと 言われて久し 栗をむく」という句でも知られている。
石破氏がこうした「中曽根俳句」を意識しているかは不明だが、退陣表明後の動きはまさに「『蝉しぐれ』を地で行ったもの」(閣僚経験者)との指摘もある。だからこそ、永田町関係者の間では「石破氏が秘かに狙っているのは『再登板』」との声も出始めている。
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