新たな"キングメーカー"誕生? いやいや、もっと意外な展開も…? 退陣前に大暴れの石破首相に噂される「壮大すぎる野望」
その一方で、アメリカのドナルド・トランプ大統領との「立ち話」で同大統領の10月下旬の訪日も招請したとされる。さらに、30日にはシャトル外交として2日間の日程で初めて訪韓し、李在明(イ・ジェミョン)大統領との日韓首脳会談で改めて両国の友好促進を確認した。
こうした一連の「石破外交」は、まさに「職務完遂を信条とする首相の行動原理を踏まえたもの」(首相側近)と位置づけられる。ただ、与党内には「退陣直前の首脳外交での約束など、相手は信用するはずがない」(外相経験者)との指摘も相次ぐ。
さらに、永田町では「余計な約束をすれば、後継者の外交に縛りをかけかねず、『百害あって一利なし』」(自民党長老)との厳しい声も少なくない。それでも、石破首相自身は「まったく意に介せず」(首相側近)だとされる。
そもそも石破首相は、「自民党内の反主流派の旗頭として孤立し、“冷や飯食い”の期間が長かった」(旧石破派幹部)こともあり、「本当の腹心は赤沢亮正経済再生担当相など、わずか数人」(同)にすぎない。
それでも、参院選での自民党の敗北を引き金とする党内からの激しい「石破降ろし」に耐えたのは、「首相自身の並外れた精神力による政権維持への“粘り腰”によるもの」(自民長老)との見方が支配的だ。
過去を振り返れば、自民党の歴代首相の多くが、退陣表明後も後継争いに一定の影響力を行使してきたことは事実。岸田文雄前首相は、「石破茂 vs. 高市早苗」となった昨年秋の前回総裁選の決選投票で、「“反高市”で旧岸田派をまとめることで、石破氏勝利の原動力となった」(旧岸田派幹部)。
林氏支援で新たなキングメーカーに?
これも意識してか、石破首相は今回の総裁選において、重要閣僚として石破政権を支えた林芳正官房長官と小泉進次郎農林水産相にさまざまな表現で“エール”を送ることで、前回総裁選で石破氏に投票した議員や党員・党友への影響力を見せつけてきた面は否定できない。
今回の総裁選で早くから“大本命”とされてきた小泉氏が、総裁選突入前の9月17日に石破首相と面会した際、石破氏は「コメ農政改革の継続」を強く要請。小泉氏も面会後に記者団に対し、「地方経済、防災庁、農政はしっかりと引き継いで進めたい」と石破路線の継承を強調した。
その一方で、総裁選終盤になって1、2位を争う小泉、高市両氏に割って入る勢いとされる林氏の陣営からは、「石破首相の側近議員はほとんど林支持だ」(旧岸田派幹部)という、期待も込めた反応が目立つ。背景には「小泉氏が総裁選勝利のため保守派寄りなったことで、石破氏は林氏支援に傾いた」(同)との読みがある。



















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