自民総裁選は調和重視でも日本株動意の可能性残す、状況によっては日経平均は4万6000円の史上最高値から4万3500円の下値まで予想する声

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高市氏の関連銘柄と目される助川電気工業の株価は、9月入り後に一時6割高と急騰したが、足元では22日につけた直近高値から2割下落しており、過度な期待の織り込みが後退してきている様子がうかがえる。

薄れる候補の独自色

ひとつには、高市氏と首位を競うと目されている小泉氏が有力視されてきていることがある。加藤勝信財務相など有力議員の後ろ盾を得ているほか、日本経済新聞などの世論調査で「次の総裁にふさわしい人」として、高市氏が無党派層で首位の一方、小泉氏は自民党支持層で首位に立つ。米賭けサイト「ポリマーケット」では、小泉氏の勝利を7割織り込んでおり、高市氏の2割を大きく引き離している。

昨年の総裁選時に比べ、高市氏の特色が薄れてきているとの見方もある。しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンド・マネージャーは「どの候補も安全運転。高市氏は保守色を抑え、財政にも大盤振る舞いでなく慎重な印象だ。小泉氏は改革色を抑えている様子がある」と話す。

自民党は昨年と異なり少数与党でもあり「野党寄りの政策が目立ち、候補間の独自色がなくなってきた」(しんきんAMの藤原氏)との見方だ。少数与党のため「目立った政策はとりにくく、大きくは変わらないとの受け止めになるのではないか」(大和の坪井氏)との見方もある。

もっとも、足元の株価が高値から調整気味となってきたことで、上昇余地が生じたとみることも可能だ。高市氏が勝利すれば「4万6000円を目指してもおかしくない」とりそなホールディングスの武居大暉ストラテジストは指摘する。

小泉氏が勝利した場合、いったんの株安を見込む声は多い一方、「株価が高い水準にあるときには調整リスクが意識されたが、先回りで調整が入っており、下押しはさほど強まらないのではないか」と大和証券の坪井氏は話す。

りそなHDの武居氏は、米国で利下げ期待の楽観的なムードがある中では下押しは限定的とみており、株価収益率(PER)でこの数年の中心レンジ14―16倍の上限寄りとなる15.5倍から算出する4万3500円辺りが一つの下値めどとの見方を示す。

(平田紀之 編集:橋本浩)

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