
どんな時代でも暮らしの選択肢はつくれる
暮らしを支えるのにはそれなりの金銭が必要なだけに、常に制約がつきまとう。場所も広さも自由には選べない。家賃を支払うための収入を支える、仕事や人間関係も維持しなければならない──しがらみが多ければ多いほど、気づけば「こうあるべき」という枠に押し込まれがちだ。
そんなときに、地方と都市の家賃格差に注目し、地方にも拠点を持って行き来する都築さんのライフスタイルは、都市にいながら自由度を保つひとつのヒントになる。「誰にも知られていない、自分だけの隠れ家を持つって、気分がいいですよ」と、都築さんは言う。
私が連載「だから、ひとり暮らし」で取材した人々も、何かとお金のかかる東京という都市で、知恵を働かせて自分らしい暮らしを楽しんでいた。
手頃な購入価格の築古の団地をリノベーションして暮らす人。極小ワンルームを、まるでコックピットのように使いこなす人。古い木造アパートにDIYで手を加え、自分と飼い猫の楽園に仕立てる人。どの部屋も「型通りの都会暮らし」からは外れ、創造性によって自由なライフスタイルを実践していた。
普通に見える部屋の片隅に、その人らしい暮らしの冒険が隠れている。窮屈に思える環境のなかでも、暮らし方は選んでいけるーー。
都築さんの視点も、そして「だから、ひとり暮らし」で出会った部屋も、そのことを示している。

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら