東京だけが"正解"じゃない──伝説の写真集『TOKYO STYLE』の都築響一氏が見る「令和の都市生活」。昔と今の共通点、そして変化とは?

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都築さん
都築さんは東京の他に神戸と札幌に拠点を持つ。神戸の拠点は友人と共同で借りているのだそう(撮影:今井康一)

どんな時代でも暮らしの選択肢はつくれる

暮らしを支えるのにはそれなりの金銭が必要なだけに、常に制約がつきまとう。場所も広さも自由には選べない。家賃を支払うための収入を支える、仕事や人間関係も維持しなければならない──しがらみが多ければ多いほど、気づけば「こうあるべき」という枠に押し込まれがちだ。

そんなときに、地方と都市の家賃格差に注目し、地方にも拠点を持って行き来する都築さんのライフスタイルは、都市にいながら自由度を保つひとつのヒントになる。「誰にも知られていない、自分だけの隠れ家を持つって、気分がいいですよ」と、都築さんは言う。

私が連載「だから、ひとり暮らし」で取材した人々も、何かとお金のかかる東京という都市で、知恵を働かせて自分らしい暮らしを楽しんでいた。

手頃な購入価格の築古の団地をリノベーションして暮らす人。極小ワンルームを、まるでコックピットのように使いこなす人。古い木造アパートにDIYで手を加え、自分と飼い猫の楽園に仕立てる人。どの部屋も「型通りの都会暮らし」からは外れ、創造性によって自由なライフスタイルを実践していた。

普通に見える部屋の片隅に、その人らしい暮らしの冒険が隠れている。窮屈に思える環境のなかでも、暮らし方は選んでいけるーー。

都築さんの視点も、そして「だから、ひとり暮らし」で出会った部屋も、そのことを示している。

インタビュー中の筆者
都築響一氏を取材する筆者(撮影:今井康一)
蜂谷 智子 ライター・編集者 編集プロダクションAsuamu主宰

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はちや ともこ / Tomoko Hachiya

東京都出身。上智大学大学院文学研究科博士前期課程修了。語学教材の専門出版社を経て2014年よりフリーランスのライター・編集者として活動。住宅・教育分野の執筆多数。

https://linktr.ee/asuamu

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