「へにょへにょテニス」で世界に衝撃、大坂なおみも絶賛する女子テニス界・異色の新星《伊藤あおい》は何がスゴいのか

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前述のとおり、25年シーズンのツアーからは離脱し、療養に専念している伊藤選手。休んだ分だけランキングが落ちるのは、トッププレーヤーがしのぎを削るこの世界の常だ。さぞ焦りや不安を抱えているのかと思いきや、その表情はこちらが拍子抜けするほど明るい。

「ツアー中は3カ月くらい日本に帰れないこともあったので、今の生活が本当に幸せすぎて……。毎日が楽しいです!」

買い物に映画にお絵描きに、21歳らしく“オフ”を満喫している。Instagramの別アカウントには自作のイラストを投稿(本人いわく「本アカウント以上に真面目に投稿している」)。オンラインのオセロゲームは4万人以上が登録するオンラインアプリで400位台。こちらも「トップランカー」だ。

趣味のイラスト
伊藤選手が趣味で描いているイラスト(写真:伊藤あおい選手提供)

「永久反抗期」の負けず嫌いはどこまで伸びる?

ただ、ファンとしては再び世界の舞台に戻った彼女が、屈強な海外の選手たちをトリッキーなプレーで幻惑させる、その雄姿を早く見たいもの。しかし、当の本人はいたって冷静だ。

「自分の本当の実力は、200~300位レベルだと思うんです。これまでは正直、相手が油断してくれていたから勝てたところもある。これからは相手も研究してくるだろうし、そう簡単にはいかないと思っています」

そう言いながらも、最後に不敵な笑みを見せた。

「まぁ、研究されたとしても、こちらも対応はできますけどね」

その飄々とした姿からは想像つかないが、実は「超」がつく負けず嫌いなのだ。オセロゲームは「4回負けたら、5回勝つまでやり続ける」という。

朗らかな笑顔の中に静かな闘志を燃やす21歳が、再び世界を「あおい沼」に陥れる――。その日を楽しみに待ちたい。

堀尾 大悟 ライター

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ほりお だいご / Daigo Horio

慶応大学卒。埼玉県庁、民間企業を経て2020年より会社員兼業ライターとして活動を開始。2023年に独立。「マネー現代」「NewsPicks」「新・公民連携最前線」などで執筆。ブックライターとしても活動。

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