「本当のクズは僕らです」鬼越トマホークが明かす、あえて"弱者"を演じるビジネス喧嘩術

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

金:僕らが弱者側だから言えるんですよね。どんなに噛みついても、大学お笑いにも誰にも相手にされてないし、何とも思われてないですから。

良:ただ、そこで我々が巧妙なのが、何の恨みもないんですけど、世間の人が思ってることはわかるんです。令和ロマンの2人は慶応大学出身じゃないですか。慶応は鼻につくっていうイメージは何となくあると思うんです。「慶応コンプレックス」がある人だけは「鬼越、よくやった!」って言ってくれますね。変な政党とやってることは一緒なんです。

鬼越トマホーク
「噛みつく相手に実は何の恨みもない」と良ちゃん(撮影:梅谷秀司)

毒舌でみんなの思いを代弁?

——本の中でも「みんなの心の中に鬼越トマホークはいる」と書かれていましたね。毒舌と言われるけど、みんなが思っていることを代弁しているだけなんだと。

鬼越トマホークの弱者のビジネス喧嘩術
『鬼越トマホークの弱者のビジネス喧嘩術』(太田出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

金:僕らは「元気玉」みたいなものだと思ってるんです。やっぱり誰も共感してないことだったら賛同も得られないし、ウケもしないですよね。

良:毒舌って割とやったらやったでみんなウケちゃうんですけど、プライドや美学があるからほかの芸人はあんまりやらないんですよね。僕らはそこをあえてやるっていう逆張りをしているだけなんです。

金:ダサい生き方ですからね。僕も先輩がこういうビジネスをしていたらダサいなと思うんですよ。でも、プライドがないからそれで金儲けもできている。たぶん、僕らが賞レースでファイナリストとかになっていたら、こういうのはやってないと思います。

——逆に言うと、誰でも鬼越トマホークになれるということなんですね。あなたも本当は思ってるんでしょ、って。

良:そう、たいしたことをやってるわけじゃないんです。だから「弱者」のビジネス喧嘩術なんですよ。

ラリー遠田 作家・ライター、お笑い評論家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

らりーとおだ / Larry Tooda

主にお笑いに関する評論、執筆、インタビュー取材、コメント提供、講演、イベント企画・出演などを手がける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『松本人志とお笑いとテレビ』(中公新書ラクレ)、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)など著書多数。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事