「本当のクズは僕らです」鬼越トマホークが明かす、あえて"弱者"を演じるビジネス喧嘩術

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——お二人のこれまでの芸人人生の中で、普通のビジネスパーソンにも生かせるような考え方はありますか?

金:芸人も事務所には所属していますけど、実際は個人事業主だから、一人一人がどうやって生き残っていくかを自分で考えないといけない。そこは一般社会とも共通しているんじゃないかと思います。やっぱりほかの人とどれだけ違うことをするかっていうのが大事なんですよね。

良:野球少年はみんな大谷翔平を目指すけど、全員が大谷みたいになれるわけじゃない。僕らの知り合いでもプロ野球をクビになってから、そのときの人脈を生かしてラーメン屋として成功してるやつがいるんです。僕らがやってきたこともそれに近いんじゃないかと思います。

金:今の僕らは本当に便利屋みたいな感じなんですよね。レギュラーもそんなにないのに、いろんな番組に呼ばれて、はい、今日はこの人に噛みついてください、吠えてください、って言われてるようなものなんで。

良:僕らは見た目が強面だから強そうに見えるじゃないですか。でも、お笑いの能力的には弱者なんですよ。「クズ芸人」って言ってる岡野陽一や相席スタートの山添(寛)さんとかも、みんな賞レースのファイナリストですからね。何の実績もない僕らが本当のクズなんです。

鬼越トマホーク
「見た目は強面だが実は弱者」と語る良ちゃん(左)(撮影:梅谷秀司)

なぜネタを頑張る気がなくなったのか

——お二人はネタをやることに苦手意識があるようですが、養成所のNSCにいた頃は、ネタの面白さで評価されていたんですよね。それなのになぜネタが苦手になってしまったんでしょうか。

良:たしかにNSCの頃はネタで評価されてたんですけど、そのときは努力をしていたんですよ。毎日、朝の8時ぐらいにファミレスに集まって、閉店の5時ぐらいまでずっとネタを考えていたんです。それでNSCの首席は取れたけど、効率悪いなと思ったんですよね。

金:当時は女の人ばかりが見に来る劇場に出ていたので、女性人気のない僕らはいつも観客投票で最下位だったんです。それで「ネタをがんばっても意味ないのかな」と思って心が折れちゃったんですね。

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