天然木の家に「今はひとり」42歳起業家の暮らし。「人が好き」、でも家族・夫婦の枠組みは「息苦しい」【再配信】

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建物内部の吹き抜け
大きく取った2階の窓から柔らかい光が降り注ぐ、吹抜けの空間(写真:大澤誠撮影)

実は糟谷さんは20代のときと30代のとき、2度結婚している。結婚生活は、どちらもおよそ2年で終わりを迎えた。

糟谷 明範さん
糟谷明範(かすや・あきのり)/理学療法士。シンクハピネス代表取締役。訪問看護・居宅介護支援事業所・カフェ&コミュニティスペースを運営する企業を設立、経営している。2025年9月『境界線を曖昧にする ケアとコミュニティの関係を耕す』(ブルーブラックカンパニー)を上梓(写真:大澤誠撮影)

「2度の離婚経験から、僕は結婚に向いてないのだと気づきました。仕事では、在宅看護やカフェを起点にしたまちづくりを行う会社を経営していて、常に誰かとコミュニケーションを取っている毎日。仕事の話もあれば、人生相談もあるのですが、それはまったく苦ではないのです。

でも、だからこそプライベートでは静けさを求めてしまう。家族や恋人など密な関係の人とのコミュニケーションがこじれると、キャパオーバーになるんです。だから僕は、ひとりで暮らしたほうがいいのだと思っています」

ひとりで「心を遊ばせる時間」も必要

全体的にミニマルなインテリアだが、ダイニングスペースのちゃぶ台や窓際に置いたデスクなどに、アンティークテイストの家具が取り入れられている。

また家のスポットごとに飾られた雑貨類は、素朴な民芸調だ。これらは控えめだが、洗練された空間に温かみを添えるアクセントとなり、くつろいだ雰囲気をつくっている。

ドライフラワーにしたプレゼントの花
プレゼントの花はドライフラワーにして、家の小さなスペースに飾る(写真:大澤誠撮影)
譲り受けたアンティークの机
譲り受けたアンティークの机はサイドボード風に壁際に置いて、植物や小物をディスプレイ(写真:大澤誠撮影)

「頻繁に訪れている沖縄で自分へのお土産を買ってきて、それを飾ったりもするんですけど、雑貨類は、ほとんどがいただきものなんです。家に遊びにくる友人が置いていったり、誰かからプレゼントされたり。例えば、窓際の机は友人のお父さんが亡くなられたときに、譲っていただいたものです」

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