がんを予防するための食事とはどんな食事なのか…「何を避けて、何を食べればいいのか」の世界的研究

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

この食習慣の特徴は、和食などの具体的な文化に根付いた食習慣とは異なり、要素ごとにがん予防に特化したものです。

食物繊維の摂取を心がけ、アルコール、ファストフード、赤肉・加工肉、砂糖入り飲料を避けるよう注意することに尽きるので、実行しやすいこともメリットです。家族にがん患者がいる場合など、ご自身のがんのリスクが高いと感じる方には、「チェックリスト」とするのがよい使い方かもしれません。

「食事でがんを治す」は科学的ではない

がんの予防と治療についてはよく勘違いされる点があります。この食習慣はがん「予防」のためであり、がん「治療」には使えません。がんの治療は全く別の話なので、信頼できる医師に治療をお願いしましょう。

よく「食事でがんを治す」といったような話がありますが、それは全く科学的ではないです。がんを治すのは手術や薬、放射線治療です。がんを予防する手段の1つが食事です。これは絶対に誤解のないようにお願いします。

[参考文献]
※1. Shams-White MM, Brockton NT, Mitrou P, Romaguera D, Brown S, Bender A, Kahle LL, Reedy J. Operationalizing the 2018 World Cancer Research Fund/American Institute for Cancer Research (WCRF/AICR) Cancer Prevention Recommendations: A Standardized Scoring System. Nutrients. 2019;11:1572.
※2. Diet, Nutrition, Physical Activity and Cancer [Internet]. WCRF International. [cited 2024 May 1];Available from: https://www.wcrf.org/diet-activity-andcancer/
※3. Wang P, Song M, Eliassen AH, Wang M, Fung TT, Clinton SK, Rimm EB, Hu FB, Willett WC, Tabung FK, Giovannucci EL. Optimal dietary patterns for prevention of chronic disease. Nat Med. 2023;29:719-728.
濱谷 陸太 ハーバード大学医学部講師/医師

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

はまや りくた / Rikuta Hamaya

専門は予防医療、特に食事やサプリメントを用いた予防的介入の個別化。循環器内科医として臨床経験を積んだ後、ハーバード大学で疫学博士を取得。現在はブリガムアンドウィメンズ病院で予防医療研究の講師(インストラクター)を務める。また、日本で株式会社エブリワン・コホートを創業し、日本の予防医療を発展させるべくCEOとして活動中。3児の父。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事