ハリポタの魔法効いた?西武HD「株価急騰」の秘密 「スタジオツアー」の開業後3倍に、鉄道他社を圧倒

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9月16日、西武HDはホテル・レジャー事業の成長に向け、新たな布石を打った。アメリカのホテルブランド「エースホテル」の運営会社であるエース・グループ・インターナショナルを最大9000万ドル(約133億円)で買収すると発表したのだ。

エースホテルは1999年、アメリカ・シアトルで誕生した。ホテルのタイプには最高級のラグジュアリーホテル、都市部に立地してレストランや会議室を備えるシティホテル、宿泊特化型ホテルなどさまざまなものがあるが、近年は個人の嗜好やファッション、デザインなどで大手ホテルと差別化し、宿泊体験そのものを楽しむ「ライフスタイルホテル」という新しいタイプのホテルが人気を得ている。エースホテルはそのライフスタイルホテルに属する。その土地の文化との共生を重視し、人とカルチャーが混ざり合う場所を作ることを目指す。シアトルのほか、ニューヨーク、京都など世界8都市でホテル展開を行う。

「日本発」を強みに

西武グループ内には国内60、海外26、計86のホテルがあり、エースホテルを加えるとその数は94になる。「エースホテルの取得は世界250ホテル体制という目標に沿ったものである」(後藤CEO)。

同時に、「ライフスタイルホテルという、グループにこれまでなかったポートフォリオが補完される」と西武HDのホテル事業を担う西武・プリンスホテルズワールドワイドの金田佳季社長が話す。「エースホテルはアメリカに強く、プリンスホテルは日本国内、アジア、オセアニア、中東で出店経験や開発ノウハウがあるので、開発エリアの相互補完が可能」(金田社長)。

エースホテルは土地・建物のオーナーから委託を受けてホテル運営を行うので、自前で土地や建物を保有するのと比べれば資金負担は少ない。それでもデザイン性の高い客室や設備などへの投資額は一般的なホテルよりも高額になるはずだ。西武HDがバックにつけば資金面での不安はなくなる。「エースホテルインターナショナルのクリス・ペンCEOは「西武HDと関係ができたことにより、さらなる投資(ホテル展開)のチャンスが生まれる」と期待する。

西武HD エースホテル 買収発表会見
西武HDによるエースホテル買収発表の記者会見(記者撮影)

西武HDによる買収後、エースホテルのブランドはそのまま維持され、ホテル展開を行っていく。ライフスタイルホテルというプリンスホテルにはないタイプだけに、プリンスホテルとのブランド融合といったことは考えていないという。

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