690kgの「アルト」をさらに100kg軽くする!「小・少・軽・短・美」追求するスズキ最新の技術戦略

スズキが「10年先を見据えた技術戦略2025」を発表した。いったい、どのような内容なのか。
そこからわかったスズキの強み、そして未来を紐解いてみたい。

スズキが9月上旬に発表した「10年先を見据えた技術戦略2025」は、昨年7月に実施した「技術戦略説明会」をアップデートさせたもの。今後のスズキの動きを理解するうえで、非常に重要な説明会だ。
なぜなら、11年前の2014年4月にもスズキは大規模な「四輪技術説明会」を実施しており、そこで後に「HEARTECT(ハーテクト)」と呼ばれるようになる新開発の軽量プラットフォームや、「S-エネチャージ」と呼ばれるマイルドハイブリッドを発表している。
HEARTECTプラットフォームは、現在のラインナップのほぼすべてに採用されているし、S-エネチャージも軽自動車中心に多くのモデルに搭載されている。
2024年7月の説明会で、スズキは「日本/インド/ヨーロッパ市場においてスズキ車の平均車両重量は、業界平均よりも200~300kgも軽い」とした。

当然、安全性は、しっかりとレギュレーションをクリアしている。そのうえで、スズキ車は軽いというのだ。
クルマが軽ければ、燃費はよくなる。また、製造時のエネルギーも使用する素材も少なくなる。製造時のエネルギーや素材が少なければ、製品価格も抑えやすい。
つまり、軽量なHEARTECTプラットフォームは、現在のスズキの競争力の根本となる重要な技術なのである。
「地球に寄り添う技術」と「人に寄り添う方針」
昨年の「技術説明会」では、小さく、少なく、軽く、短く、美しいという「小・少・軽・短・美」を合言葉に、「エネルギーの極省化」という技術方針が示された。
それに加え、今年は新たに「本質価値極大化」という方針も追加されている。
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