690kgの「アルト」をさらに100kg軽くする!「小・少・軽・短・美」追求するスズキ最新の技術戦略

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製品としては、インテリジェントカメラを使ったADAS(先進運転支援システム)を統合して、コストを抑えつつ必要な安全性能を実現する。

デジタルコックピットはe VITARAから採用を始め、高機能ヘッドランプやAI活用の音声操作、スズキコネクトのサービス拡充などを進めていくという。

「e VITARA」の統合型インターフェースディスプレイ(写真:スズキ)

こうした内容からうかがえるのは、「コスト増大を抑えよう」という姿勢だ。SDVの分野でもスズキは「小・少・軽・短・美」というスタンスを貫く。

サーキュラーエコノミーとCN(カーボン・ネガティブ)

スズキは「サーキュラーエコノミー」の取り組みのひとつとして、樹脂部品のリサイクルを実施しているという。

再生プラスチックの利用促進をはじめ、解体を簡単にする設計や樹脂部品の減量、さらには回収スキームの構築を進めている。

そしてCN(カーボン・ネガティブ)の取り組みとして、エンジンから排出されるCO2を捕集・蓄積し、植物の成長に利用する研究も行っているという。

また製造現場では、デジタル技術を活用しての製造エネルギー極省化が行われており、湘南西工場の新塗装工場では、「熱気を上に、冷気は下に」という原理を利用したエネルギー効率向上により、消費エネルギー削減に成功しているそうだ。

牛糞を利用してバイオガスと有機肥料を作る(10年先を見据えた技術戦略2025資料より)

スズキの一大拠点であるインドでは、牛のフンをバイオガスと有機肥料に変える施策を実施。バイオガスの生産プラントを2025年より順次、稼働開始するという。

インドでは、すでに販売されるスズキ車の3台に1台がCNG車になっており、その燃料にバイオガスを利用するというスキームを確立すべき活動中だという。

ここまでスズキの「エネルギー極省化」の技術の内容をチェックしてきた。しかし、実際には、その技術を使って、「どのようなクルマを世に送り出すか」が重要となる。

そこの指針となるのが、新たに設定された「本質価値極大化」だ。

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