690kgの「アルト」をさらに100kg軽くする!「小・少・軽・短・美」追求するスズキ最新の技術戦略

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これは、スズキが今年2月に発表した新中期経営計画で示された「チームスズキは生活に密着したインフラモビリティを目指す」という姿勢から生まれたものだ。

「エネルギーの極省化」という技術を使って、「どのようなクルマを世に送り出すのか」という姿勢を「本質価値極大化」で示したというわけだ。

スズキ曰く、「エネルギー極省化は地球に寄り添う」ものであり、「本質価値極大化は人に寄り添う」ものであるという。

では、「エネルギー極省化」とは、どのような技術なのであろうか。スズキは次の6つを柱にするという。

■軽くて安全な車体
■高効率な内燃機関
■高効率な電動技術
■SDVライト
■サーキュラーエコノミー
■将来技術CN(カーボン・ネガティブ)

「軽くて安全な車体」は、現在のHEARTECTプラットフォームと同様に非常に重要なものだ。

現行「アルト」で最も軽いモデルは690kgだが、さらに100kgの軽量化を目指す。旧軽自動車規格である1988年デビューの3代目アルトと同等になる、非常に高い目標だ。

1988年発売の3代目「アルト」(写真:スズキ)

スズキはこの軽量化技術を「Sライト」と呼ぶが、すでに80kg減の目途を付けたという。

そこで生まれた技術は、部品レベルですぐに広く量産車に採用していき、車体構造としては、2030年ごろから新型軽自動車を筆頭に、A/B/Cセグメントに投入していくとする。

2030年代も、スズキ車は競合よりも軽い車両重量を実現できると見ていいだろう。

電動化時代の新型エンジンを開発中

「高効率な内燃機関」は、新型エンジンの開発についてだ。世の中が脱・内燃機関を志向している中、スズキは2030年代に向けて、新型エンジンを開発しているという。

もちろん、やみくもに突き進んでいるのではなく、そこにはしっかりとした根拠がある。スズキは、インドだけでなく、今後はアフリカなどにも市場を拡大する計画を持つ。

そのとき世界規模で電動化を考えると、電動化率は2030年で57%、2035年でも67%に過ぎない。電動化といってもすべてがバッテリーEV(BEV)になるのではなく、その多くをハイブリッド車(HEV)が占めると考えているのだ。

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