「東京中古マンション投資」で失敗しがちな人のNG思考2つ――「住みたい家」より重視したい「視点」とは?

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高利回り物件の代表格が、地方都市や郊外のアパートやマンションです。都心に比べて物件価格が安いため、表面的な利回りの数字は高く見えがちです。

しかし、そうしたエリアの多くは、人口減少と高齢化が深刻で、賃貸需要そのものが先細りしています。今は満室でも、一度空室が出ると次の入居者がなかなか見つからず、長期間の空室に悩まされるリスクが非常に高いのです。

また、家賃水準が低いため、修繕費の負担が相対的に重くのしかかります。

経費の差が収益を圧迫

例えば、エアコンの交換費用が10万円だとします。

家賃10万円の都心物件であれば家賃1カ月分ですが、家賃4万円の地方物件では2.5カ月分にもなります。この経費の差が、じわじわと収益を圧迫していくのです。

築年数が極端に古いマンションも、高利回りを謳って案内する物件の常連です。特に風呂・トイレ・洗面台が一体となった、いわゆる「3点ユニット」の古いワンルームマンションは、価格が安いために利回りの数字が良く見えます。

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しかし、こうした物件は、今の若い世代からは敬遠される傾向が強く、家賃は上がるどころか、むしろ下落するリスクを抱えています。

実際、私がずいぶん前に購入した「3点ユニット」の物件は、なかなか家賃を上げられません。

さらに深刻なのが、入居者の質の問題です。家賃が6万円台を下回るような物件になると、残念ながら家賃滞納やゴミ屋敷化といったトラブルの発生率が格段に高まります。

私の経験からしても、深刻なトラブルが起きるのは、決まってこうした低家賃の物件でした。

目先の利回りの高さにだまされてはいけません。不動産投資は、長期にわたる安定経営がすべてです。

空室、家賃下落、予期せぬトラブルといった「将来に起こりうるリスク」を総合的に見極めること。そして、たとえ利回りの数字が少し見劣りしたとしても、確かな賃貸需要に支えられた都心の中古マンションを選ぶこと。

それこそが、10年後、20年後に「あのとき、正しい判断をして良かった」と後悔しないための、唯一の選択なのです。

天田 浩平 株式会社エイマックス代表取締役

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あまだこうへい / Kohei Amada

神奈川県横浜市出身。2007年に投資用中古マンションを扱う不動産会社に入社。2009年、中古ワンルームマンションを購入して不動産投資を始める。2019年「販売戸数日本一の不動産営業マン」と話題に。2020年株式会社エイマックスを設立。創業5年目にして売上高141億円を達成。2025年9月現在、自身で所有する投資用不動産は90戸(区分マンション14戸、1棟物件6棟75戸、海外物件1戸)。

著書に『農業大学卒の僕が29歳で年間170戸のマンションを売って日本一の営業マンになった秘密の方法』(KADOKAWA)、『月商6億円 日本No.1営業マンの「最速」仕事術』(祥伝社)、『マンション投資の「ルール」は私が教えます』(講談社)がある。
https://a-max.jp/

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