投資用マンション選びで唯一、そして絶対的な基準となるべきは、「その物件を、想定した家賃で借りてくれる人がいるかどうか」という、極めて客観的な視点です。
例えば、「北向きで日当たりが悪い部屋なんて住みたくない」と思ったとしても、日中は仕事でほとんど部屋にいない単身者にとって、日当たりの優先順位は高くないケースがめずらしくありません。
むしろ、家賃が少しでも安い方が魅力的だと感じる人が多いでしょう。
マンションオーナーが「大通り沿いはうるさい」と感じても、夜道を歩いて帰るのが不安な女性にとっては、「夜でも明るく、人通りがある方が安心できる」というように、もっとも重要な条件になることもあるのです。
管理や入居者募集は管理会社に一任
「自分の土地勘があるエリアでないと不安だ」という声もよく聞きます。
しかし、物件の管理や入居者募集は、すべてプロである管理会社に委託するのですから、オーナーがその街をよく知っている必要はまったくありません。むしろ、個人的な思い入れが、客観的かつ有益な投資条件を退けてしまう危険性もあります。
物件の内覧にこだわる方もいますが、私たちが扱う中古マンションのほとんどは、すでに入居者がいる「オーナーチェンジ物件」です。そのため、室内の内覧は基本的にできません。
Googleストリートビューなどで周辺環境を確認することは可能ですが、それ以上の情報を求める必要はないと私は考えています。なぜなら、仕入れの段階で、私たちがプロの目で「貸せる家」であるかどうかを厳しく見極めているからです。
投資物件選びで、細かな仕様や環境に一喜一憂する必要はありません。
提示された物件が、立地、築年数、広さ、そして家賃相場といった客観的なデータに基づき、長期的に安定した収益を生む可能性が高いかどうか、そこを冷静に判断することが重要なのです。
自分の「住みたい」という主観を捨て、「貸せる」という客観的な視点を持つ。それができれば、マンション投資は成功への軌道に乗っていると言えるでしょう。
「利回り10%超!」「驚きの高収益物件!」──。不動産情報サイトを眺めていると、このような魅力的な謳い文句で投資家を誘う物件を目にすることがあります。
「投資する以上、利回りが高いに越したことはないだろう」
そう考えて、こうした数字に惹かれてしまう気持ちはわかります。しかし、一度立ち止まって考えてみてください。なぜ、「その物件だけ」が突出して高い利回りを実現できているのでしょうか。
もし本当に何のリスクもなく高収益が約束されているのであれば、プロの投資家たちが放っておくはずがありません。その「おいしい数字」の裏には、ほぼ間違いなく、将来の資産を蝕む「隠れたリスク」が潜んでいます。
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