中国人の海外旅行、今や「日本が一番人気」の真実。《4人に1人が一人旅》イマドキの中国人旅行者が日本に求めているものとは?

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筆者は知り合いの中国人をもんじゃ焼き、抹茶スイーツなど、寿司やラーメンほど有名でないが日本らしい料理を出す店に案内している。また、次回以降は自分たちで行けるように、英語のメニューがあるか、あるいはスタッフが親切なお店を選ぶようにもしている。

抹茶スイーツ
抹茶スイーツや焼き鳥は中国人に限らず、多くの外国人に好まれる。写真は筆者が実際に外国人をアテンドした際に紹介した抹茶スイーツ(写真:筆者撮影)
焼き鳥
焼き鳥も中国人に人気のB級グルメ。ただ、焼き鳥は部位の名前が独特で、英語メニューがないと外国人旅行者には少々ハードルが高い(写真:筆者撮影)

一昨年夏、新婚旅行で京都を旅行中の中国人の友人から「懐石料理を食べたい」と連絡を受けた。筆者も詳しくないので、レストラン予約サイトでメニューやレビューを一通り見て、友人が泊まっているホテルに近いお店を代わりに予約した。

そこは家族経営の小さな料亭で、店主がお店の歴史やインテリアなどについて丁寧に説明してくれたそうだ。友人は大感激してSNSに店主の人柄や説明の内容を投稿していた。その投稿を見た中国人が店を訪問するという連鎖が今も続いている。

「中国人対応」に特化するのではなく

「知られていない魅力的な場所を訪ねたい」と考える中国人個人旅行者は多い。彼らは英語で基本的なコミュニケーションができるし、右を見ても左を見ても中国人という観光地を好まない。

地方の観光地はこういった日本のカルチャーを深掘りし、周囲に伝えてくれる中国人個人旅行者を取り込んでいくべきだろう。

そのためには逆説的になるが「中国人対応」に特化するのではなく、欧米・アジアなども含めた外国人が魅力的に感じる情報発信を強化しつつ、英語対応や決済手段のグローバル化などで訪問の敷居を下げる必要がある。

旅行者は知らない場所を選択肢に入れられないし、交通手段や言語の壁という不安もあるからだ。日本側のアップデートも求められている。

浦上 早苗 経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員(コミュニケーションマネジメント)

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うらがみ さなえ / Sanae Uragami

福岡市出身、早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で教員。現在は経済分野を中心に執筆編集、海外企業の日本進出における情報発信の助言を手掛ける。近著に『崖っぷち母子 仕事と子育てに詰んで中国へ飛ぶ』(大和書房)『新型コロナVS中国14億人』(小学館新書)。
X: https://twitter.com/sanadi37
公式サイト: https://uragami-sanae.jimdosite.com/

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