中国人の海外旅行、今や「日本が一番人気」の真実。《4人に1人が一人旅》イマドキの中国人旅行者が日本に求めているものとは?
日本旅行でも中国人旅行者の二極化は顕著だ。
中国の旅行予約プラットフォームで富士山を目的地とした日帰りツアーを探すと、東京発で3000円台の商品が複数見つかった。日本人向けの東京発バスツアーだと安くても7000円台なので、中国人向けのそれは異常に安い。
行程を見るとそのからくりが分かる。
定員は6人が多く、ワゴン車での送迎だと推測できる。立ち寄り先のほとんどは入場料不要かつSNSでバズった映えスポット。「富士山麓のローソンコンビニ(入場無料)」「富士吉田レトロ商店街(入場無料)」という記載もある。どちらも観光客が押し寄せ、地元住民の生活に支障が出ていると報じられた場所だ。
新倉山浅間公園は「新進のインスタ映えスポット。世界中の撮影者が死ぬまでに行きたい21の場所の一つと呼ばれる」、河口湖のローソンは「スマホの話題の背景画像を簡単にゲットできます」と説明されている。

富士吉田市の観光公害を報じる2024年7月21日付の朝日新聞の記事には「周辺の路地では、団体客を降ろすワゴン車が頻繁に一時停止し、車の通行を妨げていた」とある。
本来観光スポットでない場所がSNSでバズって人気が出る。観光スポットでなく入場料が不要のため激安弾丸ツアーに組み込まれさらに外国人が殺到する、という構図がうかがえる。
出張ついでに一人旅
10年前の爆買いや河口湖のローソンは絵面が強く、日本人にも分かりやすいが、前述したように一人旅やゆったりとした「スロー旅行」・「チル旅」と言われるものも相当普及している。この層は群れないし、旅行スタイルが多様化しているので見落とされがちだ。
中国南部でコンサルタントとして働く孫夢さん(仮名、35)は、出張と旅行をくっつけて9月下旬から2週間の日程で来日している。
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