中国人の海外旅行、今や「日本が一番人気」の真実。《4人に1人が一人旅》イマドキの中国人旅行者が日本に求めているものとは?

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「今回は半導体産業が盛り上がっている熊本県への出張です。以前なら東京や大阪でなくてがっかりしたかもしれませんが、今は地方に行ける方が嬉しい」

熊本での出張を終えたら、公共交通が便利な福岡に移動して数日滞在する。

「豚骨ラーメンと焼き鳥を食べるのが楽しみ。本当は屋台を体験したいけど不安なので、一人で入れそうな焼き鳥の店を調べています」という。

大連在住の40代男性は一人旅での日本旅行を計画している。

「私は日本語が話せないので、何度か行ったことのある東京から入ります。久々に富士山を見たいので、日本人の友人に連れて行ってもらおうと相談しています」

予算は航空券を除いて20万円。宿泊費を最小限に抑えて食事に充てるつもりだ。

「日本のものは何でもおいしい。大連でも日本料理ばかり食べているので、旅先ではマイナーな料理を試したい」

中国人観光客が本当に求めているものとは?

こういったスローな旅の実践者は、「日本人が行くところに行きたい」というニーズが強い。ただ、移動手段や言語に制約があるため、SNSなどで目にした情報を参考に目的地を絞り込む傾向がはっきりしている。

ブッキングドットコムの調査でも、65%が画像・動画共有SNSのRED(小紅書)を参考にしていると答えた。

筆者も国内旅行の画像をREDに投稿している。フォロワー数は少ないし、日本語で投稿しているが、北海道と沖縄の情報は閲覧数が増える。

コメントが最も多かったのは、意外にも熊本・菊池渓谷温泉の温泉旅館と、伊豆高原のホテルの写真だった。知らないユーザーから「連泊したら食事の内容は変わるか」「どうやって予約すればいいか」など10件以上の質問を受けた。

熊本県の温泉旅館
REDで問い合わせがたくさん寄せられた熊本県の温泉旅館。隠れ家のような雰囲気で、台湾からの宿泊客が増えているという(写真:筆者撮影)(写真:筆者撮影)
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