アルプス電気、好調は"問題児の復活"にあり かつての苦戦事業でつかんだ、我が世の春

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同時に、スマートフォンの急速な普及が復活の下地になった。「フェイスブック」などのSNSで写真を共有するユーザーも大幅に増加し、より良いカメラ機能を搭載することのニーズは日増しに高まっていった。これに伴い、スマホメーカー各社は競ってカメラ機能を高画素化。オートフォーカス機能も一般的に用いられるようになった。

業績の牽引役となった、オートフォーカス用カメラアクチュエータ

そして、アルプス電気復活の起爆剤となったのが「光学手ぶれ補正機能」だ。極めて精密にレンズを動かす事が不可欠な手ぶれ補正を、スマホに搭載することは技術的ハードルが高く、採用する機種はなかなか現れなかった。が、2014年9月に発売された「iPhone6 Plus」がついに手ぶれ補正機能を採用。他社に先駆けて大量生産体制を確立したアルプス電気がその恩恵を一身に受けた事で、収益性が飛躍的に改善した。

積極投資に打って出る

こうして急成長を遂げたアルプス電気だが、手綱は緩めない。29日に行われた決算説明会では、従来474億円としていた設備投資計画をさらに76億円積み増しして550億円とすることを発表。電子部品事業に限ると設備投資金額は前年比ほぼ倍増となる417億円にのぼる。

会見で詳細は明かされなかったが、闇雲な設備投資ではないだろう。光学手ぶれ補正機能が中国スマホにも普及していく事が期待される事に加え、「iPhone7」の登場によってアクチュエーターの需要がさらに広がる可能性が高いからだ。

今まで、光学手ぶれ補正機能は、iPhoneの中でも大型の「iPhone6 Plus・iPhone6S Plus」にしか搭載されていなかったが、通常のiPhone7にも搭載される可能性がある。そして、iPhone7Sでは背面カメラのレンズが2つになる「デュアルカメラ」が採用されることがほぼ確実視されている。レンズが2つになればアクチュエーターも2つ、つまり需要が倍になる計算だ。

かつての問題児、アクチュエーターがどこまで化けるかは、来年になるまでわからない。今のところは「皮算用」だ。しかし、アルプス電気は、さらなるチャンスをつかむべく、期待と投資を膨らませている。

渡辺 拓未 東洋経済 記者

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わたなべ たくみ / Takumi Watanabe

1991年生まれ、2010年京都大学経済学部入学。2014年に東洋経済新報社へ入社。2016年4月から証券部で投資雑誌『四季報プロ500』の編集に。精密機械・電子部品担当を経て、現在はゲーム業界を担当。

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