もう上司の「思いつきの改革」には振り回されない!課題を徹底的に洗い出す「急がば回れ」のアプローチが功を奏す

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翻って、僕が経営改善に携わった会社では、店舗で購入してくださった顧客に対しても、その後の贈答に向けた購入を促す施策をしておらず、贈答にも適しているという認知をとることができていませんでした。

つまり、今までのやり方では市場開拓はできない、ということは明白でした。

見過ごされている真実を把握する

また、この新しいチャネルについては、あまりナレッジがなかったため、課題やチャンスの候補を洗い出し、近しい業態でどんなトレンドが生じているかを理解しながら進めていきました。

結果的に、ECチャネルの拡大および贈答用途の拡大の2つの施策は、効果が出た目玉施策になったのですが、「言われてみればそりゃそうだ」という感じもするのではないでしょうか。

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この例での問題点は、この2つの議題が、課題・チャンスであるかもしれないと、僕が関わった当初は経営陣の誰も気づけていないことです(実際にこの提言をしたときは、取り組みは放置されていました。提言を受けて、「今すぐ調査して実行に移そう」というのが当時の社長の反応でした)。

この見過ごされている真実を把握することこそが、課題を可視化するという最初のステップでの狙いです。このときに課題・チャンスを出し切れるのかが肝であり、課題・チャンスがあるということに気づきさえすれば、その後はやりきるだけです。

この例のように、気になっている課題がある場合でも、まずは一度俯瞰して課題・チャンスをすべてあぶり出して可視化する「急がば回れ」のアプローチをすることを心掛けてみてください。

中出 昌哉 テックタッチ株式会社 取締役 CFO / CPO AI Central 事業責任者

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なかで まさや / Masaya Nakade

テックタッチでは、「AI Central」(AI技術を活用した新規事業開発を担う専門組織)の事業責任者としてAI戦略をリード。プロダクト戦略責任者(CPO)および財務責任者(CFO)も担う。また、一般社団法人日本CPO協会の理事も務める。
東京大学経済学部、マサチューセッツ工科大学(MIT)MBA卒。野村證券株式会社にて投資銀行業務に従事し、素材エネルギーセクターのM&A案件を多数手がける。その後、カーライル・グループにて投資業に従事。ヘルスケア企業のバリューアップや、グローバル最大手の検査機器提供会社への投資等を担当。テックタッチには2021年3月、CFOとして入社。

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