「このサイズ、オンラインならあるんですが…」は死語に? ユニクロ並みの購買体験を日本全国にもたらすかもしれない《買い物革命》の震源地
オンライン決済サービスを展開するアメリカ企業Stripe(ストライプ)が9月3日、1万円台の端末で日本市場に本格参入すると発表した。今回、同社が発表した決済端末は、モバイル型の「WisePad 3」(1万0480円)、スマートリーダーの「Stripe Reader S700」(5万2480円)の2種類。狙いは、決済データを軸にして、オンラインと店舗をつなぐ統合プラットフォームの構築である。

日本法人のダニエル・ヘフェルナン社長は「端末はただの端末。Stripe Terminalは全体のソリューションだ。オンラインのデータと店舗決済のデータを融合し、Stripeダッシュボード上ですべて管理できる」と強調する。
ストライプが仕掛ける「決済からの変革」
ストライプが実現する買い物体験はこうだ。
カフェでコーヒーを飲んだ客が「この豆を家でも飲みたい」と言う。店員はiPhoneを取り出し、利用客はカードを相手のiPhoneにタッチして支払う。すると画面に「この豆を毎月お届けしますか?」とQRコードが表示される。利用客がスキャンすると、店舗での購入履歴がオンラインアカウントに自動連携。翌月から同じ豆が自宅に届く。
別の日、同じ利用客がオンラインで新しい豆を注文すると「〇〇店でテイスティング可能」と表示される。店舗を訪れ、電話番号を入力すると、オンラインでの購入履歴から好みを把握した店員が「前回の豆より深いりですが、お好みに合うと思います」と提案する。店舗での試飲がオンラインの購買データと連動し、利用客は自分の好みにぴったりの豆を見つけられる――。
「1回の来店が継続的な関係に変わる。店舗がショールームではなく、顧客との接点になる」と、ヘフェルナン氏は説明する。決済の瞬間に、オンラインと店舗が完全に融合するわけだ。
ストライプは日本市場参入にあたり、技適マーク取得、CAFIS(NTTデータが提供するキャッシュレス決済プラットフォーム)対応、JCBブランド対応、PayPay対応をクリアした。PayPayについては、オンライン3.98%に対してオフライン3.24%という手数料の設定で、店舗での利用を促す。
ガートナーの調査によれば、ユニファイドコマースを導入した企業の売り上げは平均で20%向上するという。グローバル市場は2030年までに234.7億ドル規模に成長する見通しで、アジア太平洋地域では2025年にオンライン売り上げの80%以上がスマホ経由になると予測される。
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