わずか(?)5万円で人気アトラクション12種類に「待ち時間無し」で乗れる…富士急ハイランド「5万円パス」が示すテーマパークの"変容"

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テーマパークは3万円を見ておかねばならない時代に到達しているのかもしれない。

いい体験をしたければ、お金を払うのだ

また、そのUSJをV字回復させた森岡毅氏が自身の会社で作り上げたのが「ジャングリア」。今年の7月、沖縄に誕生した。近年では稀に見る大型のテーマパーク開発案件で、開業当初から(色んな意味で)大きな話題となっている。

このジャングリアも近年のテーマパークらしく、多くの優先課金チケットを用意している。それぞれのアトラクションには「プレミアムパス」という優先チケットがあり、これが1980円〜2640円。また、東京ドーム何個分もある広大な敷地ではあるが、屋内型レストランは1つしかなく、ディナーはコース予約をした人だけが入れる。

そもそものキャパが違うから比較するのは酷とは思いつつ、多くのレストランにふらっと入れるディズニーランドやUSJよりも過酷かもしれない。

「ダイナソー・サファリ」の待ち列
ジャングリアのアトラクション「ダイナソー サファリ」の待ち列。日光を遮ってくれると思いきや、なぜかシースルーの覆い……(筆者撮影)
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さらに、ジャングリアのアトラクションは1人当たりの体験時間が長いものが多く、回転率が通常のテーマパークのアトラクションと比べて悪い。そのため、特にジャングリアの開業当初はプレミアムパスを買わなければ、アトラクションに乗れないし、炎天下で長時間待たないといけない……ということも報告されている。ジャングリアの1Dayチケットは大人6930円なので、もしアトラクションにまったく乗れなかったら、夫婦関係や友人関係に悪影響を及ぼす可能性もある。

現在では客足も落ち着きつつあるので状況も変わっているかもしれないが、少なくとも開業当初は「課金ありき」の側面が強いパークだった。ある意味、お金面でもテーマパーク業界を牽引する存在とも言えそうだ。

では、そんな「ジャングリア」で、入場料以外無課金で過ごすとどうなるのか? 後編記事では、おもしろ半分でそんな選択をしてしまった愚かな筆者の後悔を述べつつ、批判されがちな「課金至上主義」を中立的な立場から考えていきたい。

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