わずか(?)5万円で人気アトラクション12種類に「待ち時間無し」で乗れる…富士急ハイランド「5万円パス」が示すテーマパークの"変容"

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え、高い……と思う人がいるかもしれない。ただ、対象となっている12種類の主要アトラクションは休日であれば数時間、平日でも相当の待ち時間を覚悟しなければならない。平均しても、60〜180分ほど待つのはザラで、1日では回りきれない。

高いお金を払ってでも効率よくパークを回りたい顧客には需要があるのだろう。

1日10枚限定の「厚利少売」の試みだ

FUJIYAMA
人気のジェットコースター「FUJIYAMA」。平日でも多くの人が並ぶ(筆者撮影)

また、このパスは1日に10枚限定でしか売り出されない。少ない人に、高いお金を払ってもらうサービスなのだ。もちろん、今後この枚数が増えていく可能性はあるだろうが、「厚利少売」モデルの施策を本格化させてきたと言える。

富士急ハイランドがこうした施策を打つ背景には、業績がインバウンド観光客によって底上げされていることがある。親会社である富士急行の業績は、2026年3月期で3期連続の増収増益を達成する見通しである。

世界遺産・富士山の麓でインバウンドにとって最高のロケーションであるのに加え、2023年からは世界最大の旅行検索サイト「Klook」とのコラボレーションも行っている。また、今年からはさらなるインバウンド客誘致に向け、国内ではまだ市場規模の小さいインドの観光客を誘致する施策を打ち始めた。

インバウンド観光客が増加するなか、海外から来る人は頻繁にパークを訪れることができず、せっかく多くのアトラクションに乗りたくても乗れないことがある。そのため、少し値は張っても効率よくパークを回ることができるチケットに商機を見出したのだろう。

富士急ハイランド本社
富士急ハイランド本社(筆者撮影)
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