ブルームバーグ氏「米軍の能力、官僚主義が損ねている」、国防総省の多くの契約では修理作業は製造元に認定された人員に限定

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(写真:ブルームバーグ)

米国の民主、共和両党が一致できるはずのことがある。それは、米軍の兵士たちが国と仲間を守るために力を尽くしているとき、壊れた兵器や装備の修理を煩雑な官僚主義が妨げてはならないということだ。ところが米軍は今まさにその危機に直面している。

もし、戦争があす始まれば、米軍は防衛や戦闘に必要な装備の修理・整備に苦しむ恐れがある。それは兵士に修理の能力がないからでも、外部の請負業者を雇えないからでもない。契約で禁じられているためだ。

現在、国防総省の多くの契約では、修理作業は製造元に認定された人員に限るとされている。こうした制限は、非常用発電機からF35戦闘機に至るまでさまざまな装備に及ぶ。

兵士たちは必要なデータや工具、部品、訓練へのアクセスを持たない。そのため、壊れた機材は本国に送り返すか、製造元と提携する業者を現地に呼び寄せるしかない。その結果、コストが膨らみ、危険を伴う遅延が生じる可能性がある。

信じ難いことに、兵士が部品を組み合わせて修理しようとすることさえ禁じられている。これは、米国の誇るべき強みの一つ、創意工夫の精神を踏みにじるものだ。

米国は修理する人々の国だ。何かが壊れたら、腕まくりをして原因を突き止め、自ら直す。そして自力で解決できなければ、速やかに助けを求める。それが私たちの気質であり、文化だ。しかし今、その精神が国を守る任務を託された人々から奪われている。

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