ファッションの流行は強い選手の影響大!

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漫画家/弘兼憲史

 前回は、ポロシャツをズボンにインする規定の見直しを提案しましたが、今回はゴルフファッションの“流行”について考えてみましょう。

ジャンボ尾崎選手が絶好調だったとき、Jumboマークがついたウエアを着た人たちを至る所で見掛けました。最近では、そのジャンボさんにあこがれている池田勇太選手のトレードマークでダボダボズボンの「3タックパンツ」が発売されましたよね。ゴルフファッションの流行は、みんなその時代に注目されている強いプロ選手のまねをする、という流れが確実にあると思います。
 中でも「帽子」の流行変遷はいちばん時代を反映しているのではないでしょうか。まずジャック・ニクラウスが強い時代には、今ではほとんど見ない、ツバのあるいわゆる「ハット」が一世を風靡しました。フレッド・カプルスのときは「サンバイザー」、タイガー・ウッズが強いと、猫も杓子も「キャップ」といった具合です。今の主流となっているキャップは、昔は被っている人なんて一人もいなかったけど、ウッズの出現以来、本当にみんながかぶるようになりました。ゴルフをしないオヤジもナイキのキャップを愛用するほどですからね。最近では、石川遼選手の四角い帽子「ワークキャップ」が脚光を浴びました。その名のとおり、労働者が作業の際にかぶる帽子を元にしたものですが、これは若者たちのストリートファッションとしてもはやっていたようです。
 ちなみに僕は、風通しのいいサンバイザーがいちばん好きなのですが、誰もかぶってないし目立って恥ずかしいのでキャップ派です。

日本のプロ選手は、昔はほとんど帽子などかぶっていなかったですよね。ジャンボさんも、中島常幸さんも、杉原輝雄さんも。かぶっても夏とか日差しの強い時にサンバイザーくらいでした。そんな時代は、アマチュアも帽子をかぶらずプレーしていたものです。ただやはり、本当はツバのついた帽子、できればハットをかぶるのがいちばんいいような気がします。というのは、日焼けうんぬんより危険防止のため。「ファー」と聞こえてきたとき、いくら注意してもボールはどこから飛んでくるかわかりません。ボトンと目の前に落ちてくることもよくあります。頭や顔面を直撃するよりは、ケガが軽減するだろうなと思いますね。

あとポロシャツの襟を立てる行為ですが、日本では女子の樋口久子選手あたりがやり始めたのではないでしょうか。最初は首筋の日焼けを防ぐためだったと思いますが、あのときは、街なかでも襟を立てるのがえらくはやりました。今でも団塊のオヤジたちは、しっかり立ててますけどね(笑)。ファッションというのは不思議なもので、得てして自分が若い頃にハマったものがなかなか捨てきれない。僕もどうしても普段はアイビールックが主流になるし、50代半ばのオバチャンたちはハマトラにいまだ依存しております(笑)。

漫画家/弘兼憲史(ひろかね・けんし)
山口県出身。早稲田大学法学部卒。松下電器産業(現パナソニック)勤務を経たのち、1974年に漫画家としてデビュー。現在、『島耕作』シリーズ(講談社)、『黄昏流星群』(小学館)を連載するほか、ラジオのパーソナリティとしても活躍中。
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