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政治・経済・投資 #ウクライナ侵攻、危機の本質

ウクライナ和平でトランプがプーチンに接近する理由/共鳴し合う「法治軽視」トランプと「独裁」プーチン/アメリカ版オリガルヒとは何か

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  • 吉田 成之 新聞通信調査会理事、共同通信ロシア・東欧ファイル編集長
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エロール・マスクの講演は驚くべき内容だった。「息子によると、ウクライナ戦争は人類史上、最大のインチキ話で、ロシアは挑発されただけだ。私も完全に同じ意見だ」。

こうした出来事が示しているのは、広義のトランプ周辺人物の中には、プーチン政権と接触を保つ有力者がおり、ウクライナ侵攻が国際法違反であるとの認識がないという事実だ。この出来事は国際的にもアメリカ国内でもほとんど報道されていないが、ウクライナ情勢をめぐる米ロ両政権の基本的認識が「地下茎」のように絡み始めたと言える状況だ。

こうした中で、欧州側はホワイトハウスでの会合で、トランプ調停への謝意を連発し、ナルシストでもあるトランプの自尊心をくすぐる作戦を徹底して展開。和平をめぐる、アメリカとの溝が表面化する事態を回避しようと必死の努力を続けている。

ウクライナが停戦しても「戦間期」でしかない

戦闘が終結しても、数年後には戦力を立て直したロシアがバルト3国などを攻撃してくるシナリオに欧州は警戒を強める。そのため、欧州は今回、米ロ主導で「和平」が実現しても、その「平和」が次の侵攻までの「戦間期」にしかならないことを恐れている。ゼレンスキー政権も同様の立場だ。

日本にとっても、こうした懸念は他人事ではない。欧州とともに、法治に基づく従来の国際秩序の守り手になるべきだ。唯一の同盟国であるアメリカに対して、欧州と同様に気を遣いながらも、ウクライナや欧州と連携して、具体的行動をすべきときを迎えている。

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