アニメ《タコピーの原罪》が配信限定でも「異例の盛り上がり」見せたワケ。"過酷な現実"描いた本作、人気拡大の秘密は「配信形態」にアリ?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

また、本作が配信限定でありながら盛り上がったのは“独占配信でなかった”点も大きそうです。

従来の配信限定作品の多くは、各プラットフォームのオリジナル作品として独占配信となり、しばらくはひとつのプラットフォームでしか視聴ができませんでした。これはトレンドをみてリアルタイムで後追いする人への間口を狭めたり、視聴手段が限られるため“周りにオススメ/布教”しにくかったりする点で、やはりアニメ視聴とは相性が良くないとされています。

一方で本作は、配信限定でありながらもNetflixやプライム・ビデオに加え、幅広いサービスで配信を行ったため、配信開始後も話題と視聴層を広げ続けることができたのでしょう。

盛り上がりを生みやすいアニメの方程式とは?

これらを踏まえると、現状でアニメは以下の順で「盛り上がりを生みだしやすい」といえそうです。

放送+配信>配信限定(『タコピーの原罪』方式)>配信限定(全話一挙公開の独占配信)

もちろん配信形態だけで作品の盛り上がりは決まりませんし、本作が話題になったのも、国内外で高評価を生むほどの映像化作品であったという大前提があってこそです。しかしアニメに限らず様々な娯楽が溢れかえる現在、届いて欲しい人にいかに作品を届けるかというのも、作品の盛り上がりには欠かせない重要な要素となってきています。

冒頭で“配信限定アニメは話題になるのが難しい”と言いましたが、それは決してこれまで魅力的なタイトルがなかったというわけではなく、単純に届くべき人に届ききっていない部分も大きかったのです。

配信限定作品も、全話一挙公開と独占配信を避けた配信形態であれば、一定の盛り上がりを生むことが本作で証明されました。今後は同様の配信形態で、今期ひいてはその年の話題作ともいえる配信限定作品も登場するようになるかもしれません。

【もっと読む】「毎週約100本以上」のアニメを視聴するコラムニストが厳選!《鬼滅の刃》で盛り上がるこの夏に見たい!社会人のための「入門編10作」を紹介 では、アニメコラムニストの小新井涼氏が、アニメ初心者さんに見てほしい「王道アニメ」を10作品紹介しています。
小新井 涼 アニメコラムニスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

こあらい りょう / Ryo Koarai

アニメコラムニスト。北海道大学観光学高等研究センター研究員。博士(観光学)。 KDエンタテインメント所属。 毎週約100本以上の全アニメを視聴し、全番組の感想をブログに掲載する活動を10年以上継続中。様々な媒体へのコラムの寄稿や番組へのコメンテーター出演をする傍ら、学術的な観点からもアニメに関する研究をしている。近年はその知見を活かし、クランチロール・アニメアワードや声優アワードで審査員や選考委員も務める。著書に「鬼滅フィーバーはなぜ起こったか? データで読み解くヒットの理由」(インプレス)。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事