アニメ《タコピーの原罪》が配信限定でも「異例の盛り上がり」見せたワケ。"過酷な現実"描いた本作、人気拡大の秘密は「配信形態」にアリ?

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原作で印象的だったシーンが配信と共にミーム化して広がったことや、海外での高評価を報じるニュース記事、同時再生会の実施……。こうしたさまざまな要素も絡み合ってこの状況が生まれましたが、中でも効果的だったのが本作の“配信形態”です。

アニメ『タコピーの原罪』が盛り上がった理由

本作の配信形態の特徴として、通常の放送作品と同じく「毎週1話ずつ公開された」ことがあります。

これまでの配信限定アニメは、その多くが配信開始とともに「全話が一挙公開される」というものでした。これは時間がある時にまとめて最終話まで“一気見”できる利点がある一方で、昨今のアニメの盛り上がり方とはあまり相性が良くないとされています。

というのも、SNSと動画配信サービスの定着以降、アニメは以下のように盛り上がることが増えているからです(春クールに話題となった『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』などが下記に該当します)。

①最新話の放送と共に関連ワードがトレンド入りをする
②トレンドをキャッチした未視聴層が配信で後追い視聴を始め最新話に追いつく
③毎週①②を繰り返す事で、話数を重ねるごとに視聴層が拡大し続ける

上記のポイントは、②で未視聴層が最新話まで追いつくことで既存の視聴者層と“足並みが揃い”、次の放送から最新話の話題に参加できるようになる点です。話数を重ねるごとに①で関連投稿をする視聴者の母数が増えていき、盛り上がりが雪だるま式に大きくなっていくのです。

全話が一挙公開されることで、話題や白熱するタイミングがそれぞれの視聴ペースによりバラけてしまう従来の配信限定作品では、こうした爆発的な盛り上がりは生じませんでした。

同じ水量でも、シャワーのようにまばらに落ちるより桶をひっくり返して一気に浴びる方が勢いがあるのと同じで、特定のアニメが盛り上がるには、多くの人が同じタイミングで同じ話数を話題にする一点集中型の勢いが必要でもあるからです。

『タコピーの原罪』が徐々に勢いを増し、最終話にして盛り上がりが最高潮に達したのも、後追いの人も視聴の“足並みが揃う”毎週配信方式であったことが一因にあると考えられます。

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