【朝ドラ】やなせたかし、意を決して応募した漫画がグランプリ受賞も妻「うれしくない」ワケ
この『夕日にむかって』は「アンパンマン」のアニメソングとしても使われる。「アンパンマン」がアニメ化されるのは、このラジオ出演から1年後のことなので、このときのやなせは夢にも思わなかっただろう。
いずみたくと二人で曲を作り続けた
やなせが積極的に作詞をするようになったきっかけは、作曲家のいずみたくと出会ったことにある。
連続テレビ小説『あんぱん』では、いずみたくをモデルにした「いせたくや」が登場。連続ドラマ初出演となるMrs. GREEN APPLEの大森元貴が好演して話題となっている。
また、藤堂日向が演じるのが永六輔をモデルにした「六原永輔」で、「いせたくや」とともに、嵩(たかし)を巻き込みながら、ミュージカル『見上げてごらん夜の星を』を創り上げていく姿が描かれた。
実際にも、やなせたかしは永六輔に依頼されて、ミュージカルの舞台美術に携わったことで、いずみたくとの出会いを果たす。
よほど意気投合したのだろう。先のラジオ出演時の話によると、やなせといずみたくは「1カ月に1曲をつくろう」と二人で話して決めたという。それも歌謡曲ではなく「子どもが家庭で歌える歌」を作ることにして、なんのあてもなく作り出した。
とはいえ、お互いに仕事は多忙を極めていた。「やめよう」と思ったことも何回もあったという。しかし、結局、どちらかが「がんばって続けよう」と踏ん張って、このラジオ出演時にもまだ続いていたというから驚きである。
かなりの数の曲を作っていることになるが、やなせは「手のひらを太陽に、だけなんですね。みなさんに知られているのは。一節太郎(ひとふしたろう)で非常に恥ずかしいんですけど」と笑いながら、このラジオ出演で一番うれしいことをこんなふうに明かしている。
「僕、今日凄いうれしいのはね、この歌がいくらかかけられるということで、喜び勇んできた」
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