クルマ社会でモノレール奮闘、沖縄ご当地鉄道事情 戦前にあった“ケービン”の遺構が歴史を物語る

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しかし、沖縄戦がすべてを破壊してしまった。戦争末期には地域輸送はほとんど行われることがなくなって、軍事輸送を主たる役割とする路線に変貌。1945年3月に運行を停止し、その後に続く沖縄戦によって、沖縄県営鉄道はその廃線跡の痕跡を探すのも難しいほどに破壊されてしまったのだ。

沖縄軽便鉄道 与那原駅舎
復元された沖縄軽便鉄道の与那原駅舎。内部は鉄道資料館(撮影:鼠入昌史)
【写真をすべて見る】現在、沖縄で唯一の鉄軌道線である沖縄都市モノレールの「ゆいレール」はどんなところを走っているのか。そして、戦災でほとんど破壊されてしまった“ケービン”こと沖縄県営鉄道の痕跡をいまに伝える場所とは?

沖縄の歴史を物語る

その後、沖縄はアメリカの統治下に入る。一時は鉄道を復旧させる意向を持っていたというが、現実には道路整備を優先する形となって、沖縄の鉄道は半世紀近くにわたって地図から姿を消したのである。

ゆいレール旭橋駅の目の前には、那覇駅の転車台遺構が残っている。また、与那原には被災したものの復元された与那原駅舎があり、鉄道資料館になっている。ところどころの公園に、のちに発掘されたレールなどを保存展示している一角もある。ゆいレールは、そうした過去の沖縄の鉄道の歴史をも背負いながら、走り続けているのかもしれない。

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鼠入 昌史 ライター

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そいり まさし / Masashi Soiri

週刊誌・月刊誌などを中心に野球、歴史、鉄道などのジャンルで活躍中。共著に『特急・急行 トレインマーク図鑑』(双葉社)。

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