どうなる新路線構想「神戸のロープウェー」の未来 まやビューラインには再び「存続の危機」も?

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以前、神戸出身で欧米にも多くのファンを抱えるジャズピアニストの小曽根真さんに摩耶山の話を振ると、「昔は遊園地があったんやで」と教えてくれたことを思い出す。「ジェットコースターまであった」ということだった。

摩耶ロープウェー山上
摩耶ロープウェーの「星の駅」を出ると展望広場「掬星台」。かつて山上に「奥摩耶遊園地」が広がっていた(編集部撮影)

遊園地とは神戸市交通局が摩耶ロープウェーの開業とともに開発した「奥摩耶遊園地」だ。開園は摩耶ロープウェーと同じ1955年。当時、神戸市交通局はレジャー施設の開発に比較的熱心だった。

市交通局の観光戦略

そのころの神戸市交通局は「市電でむちゃくちゃ儲けていた」(神戸市の久元喜造市長)のだという。摩耶ケーブルは摩耶鋼索鉄道という民間会社が敷設したのに対し、摩耶ロープウェーは公営企業である神戸市交通局が敷設したのは、それも理由の1つとみられる。

同じく神戸市交通局が開発した施設としては民設民営で2024年オープンした須磨シーワールド(神戸市須磨区)の前身施設「須磨水族館」(1957年開業)がある。須磨は当時の市電の終点だった。交通局が運営する乗り物に乗って行く目的地を作れば、目的施設でも交通機関でも稼げるというそろばんをはじいたという面があるようだ。

須磨水族館は国道2号線沿いの好立地。現在でも須磨シーワールドや付属のホテル、無料で利用できる須磨海浜公園が同じ敷地にある。

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