「老いの境地」、56歳・浜田宏が金融市場に挑む デル、HOYAでの経験を活かせるか

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そして、もうひとつ理由をあげるとすれば、若いうちから社長業を経験して、「垢が抜け落ちた」ということかな(笑)。いま、56歳ですが、日本の大手企業では、同い年の人たちが、執行役員になれるかどうか、必死にやっている時期。私は15年前にそういうことを、すでに経験してきました。自分でいうのもなんですが、いい意味で「老いの境地」に入ってきた(笑)。エゴが少なくなってきましたよ(笑)。

出世したいとか、有名になりたいとか、名誉が得たいとか、カネを儲けたいとかという気持ちはまったくなくなってきましたね。一方で、純粋に楽しいことをしたい、という境地に至ってきました。「純」な気持ちで、楽しく元気いっぱいに働きたいという気持ちが強い。こうしたことが組み合わさって、この会社の経営にかかわることには不安を覚えませんでしたね。むしろ、ワクワクしていたわけですから。

事業の柱は3つある

――住生活プロデュース企業として、どんなことに取り組みますか。

住宅ローンは、これからも当社の中核事業であることは変わりません。2020年には、フラット35の取扱高では、40%以上のシェアを目指したいと考えています。また、現在、直販体制に加えて、全国180の窓口によるフランチャイズ展開をしていますが、これを300社にまで拡大したい。

住宅ローンに続く2つ目の柱が不動産情報サービスです。住宅を買いたいと思ったときに、最初に取り組むのが家探しです。われわれが、良質な不動産情報を提供して、そこから最適な物件を選んでもらうことができるようにします。もともと当社には、住宅ローンの契約実績が多く蓄積されていますから、そのデータをもとに、家族構成や勤務地、年齢、年収などのデータと照らし合わせ、類似するような傾向の人に対しては、こうした物件が最適であるという提案を行いたいと考えています。

これは、2015年下期にβ版をリリースする予定です。不動産情報サービスの利用者の方々には、われわれの名前を覚えてもらって、いざ借りるときに、「そういえば、アルヒという会社がきっかけで、この物件が見つかったなぁ。アルヒの住宅ローンも検討してみようか」と思ってもらえればいい。新たな顧客づくりの接点になればいいと思っています。もちろん、全国の不動産業者ともパートナーシップを組むわけですから、不動産業者からも、アルヒを勧めてもらうという関係づくりも可能になります。

3つ目が、メンバーズクラブです。これは、住宅購入後の暮らしをサポートするもので、さまざまな提携企業を通じて、インテリアの販売や、メンテナンス、リフォームなどの提案を、優待価格で行っていくというものです。第1弾として、家電メーカーのAQUA、デザイン家電のamadana、家具・インテリアのACTUSおよびニッセン、水宅配のCLYTIA(クリティア)と提携していますが、今後、引っ越し、ガーデニング、セキュリティ、家事代行、育児支援、介護支援、ヘルスケアサービスなどを優待価格で利用できるような形へと広げていきます。

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