配送業者3人が熱中症で死亡…世界で頻発する異常気象。酷暑の中での配達で「死がよぎった」ウーバー配達員の”本音”
熱中症による命の危険について、思考を巡らせたことはほとんどなかった。
骨身に染みているお金の大切さ、筋金入りの節約精神は、私が暑さ対策を怠ってきた原因の1つなのだろう。
私は22歳のとき、奨学金約500万円を背負って社会に出た。私にとって節約とは「生きること」と同義だった。冬場は部屋の窓に梱包材(プチプチ)を張って保温効果を高めたり、料金未納でガスを止められても「節ガスになる」と前向きに考えたり……。
デリバリー配達員として働いている際、35℃を超える猛暑日にもかかわらず、窓が開いている住居を見かける。そして、その戸数は少なくない。一時的に空気の入れ替えをしているだけだと信じたいが、近年のインフレ、電気代高騰に悲鳴を上げている人は、おそらく私だけではないはずだ。

食費と水光熱費は、工夫や努力次第で数千円単位の節約ができる、削りやすい出費の1つだ。
猛暑にもかかわらず窓を開けている人の中には、私と同じように「電気代を節約したい人」「熱中症を甘く見ている人」交じっているかもしれない。親近感を覚えると同時に、「大丈夫かな?」という気持ちにもなる。
熱中症の約4割は自宅で発生。屋内外の暑さ対策は必須
大変お恥ずかしい話だが、私は今年の夏に屋内で、熱中症によりダウンした経験がある。
その日、私は18時からウーバーの仕事をしようと決めていた。エアコンのスイッチを切ったのは、出発予定時間の20分前だ。少しでも電気代を節約したい気持ちがあった。「20分だし、あとは今ある冷気の残りで持つだろう」と考えた。
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