中国電池CATL、業績「独り勝ち」はいつまで続くか 上半期の純利益33%増、工場はフル稼働に接近

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電池需要のグローバルな拡大を追い風に、CATLは海外事業の業績を伸ばしている。決算報告書によれば、2025年上半期の海外売上高は612億1000万元(約1兆2663億円)と前年同期比21.1%増加。総売上高に占める比率は34.2%と1年前より3.9ポイント上昇した。

CATLはさらなる成長に向けて積極投資を続ける構えだ。写真は2025年5月、香港証券取引所に重複上場した際の記念式典(同社ウェブサイトより)

なかでも好調なのがヨーロッパ向けの車載電池だ。「ヨーロッパの自動車市場でEVやPHVの販売が伸び続けている。わが社は市場の状況を見ながら生産能力を拡大していく」。CATLの経営陣は決算説明会でそう述べた。

同社が欧州自動車工業会(ACEA)の調べとして決算報告書で示したデータによれば、2025年上半期にヨーロッパで販売されたEV・PHVの乗用車は178万2000台と前年同期比23.6%増加し、乗用車の総販売台数の26.1%を占めたという。

固体電池でも先行目指す

CATLの独り勝ちはどこまで続くのか。今後の業績を占ううえで気がかりなのが生産余力だ。決算報告書によれば、同社の2025年上半期の電池生産量は310GWhに達し、総生産能力(345GWh)から計算した設備稼働率は89.9%とすでにフル稼働に近い。ここからさらに成長を続けるには、積極的な増産投資が不可欠だ。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

電池技術の絶え間ない進歩も、CATLの将来を左右する重要な要素だ。次世代の車載電池の本命とされる固体電池について、同社の経営陣は決算説明会で「今後3~5年で技術の覇権争いが決着する可能性がある」との見方を示した。

経営陣によれば、CATLは固体電池の研究開発をすでにおおむね完了しており、現在は量産技術の確立や(原材料などの)サプライチェーン構築の問題解決に取り組んでいるという。同社は2027年に固体電池の少量生産を開始し、2030年前後に大規模生産の実現を目指している。

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は7月31日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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