電池需要のグローバルな拡大を追い風に、CATLは海外事業の業績を伸ばしている。決算報告書によれば、2025年上半期の海外売上高は612億1000万元(約1兆2663億円)と前年同期比21.1%増加。総売上高に占める比率は34.2%と1年前より3.9ポイント上昇した。

なかでも好調なのがヨーロッパ向けの車載電池だ。「ヨーロッパの自動車市場でEVやPHVの販売が伸び続けている。わが社は市場の状況を見ながら生産能力を拡大していく」。CATLの経営陣は決算説明会でそう述べた。
同社が欧州自動車工業会(ACEA)の調べとして決算報告書で示したデータによれば、2025年上半期にヨーロッパで販売されたEV・PHVの乗用車は178万2000台と前年同期比23.6%増加し、乗用車の総販売台数の26.1%を占めたという。
固体電池でも先行目指す
CATLの独り勝ちはどこまで続くのか。今後の業績を占ううえで気がかりなのが生産余力だ。決算報告書によれば、同社の2025年上半期の電池生産量は310GWhに達し、総生産能力(345GWh)から計算した設備稼働率は89.9%とすでにフル稼働に近い。ここからさらに成長を続けるには、積極的な増産投資が不可欠だ。

電池技術の絶え間ない進歩も、CATLの将来を左右する重要な要素だ。次世代の車載電池の本命とされる固体電池について、同社の経営陣は決算説明会で「今後3~5年で技術の覇権争いが決着する可能性がある」との見方を示した。
経営陣によれば、CATLは固体電池の研究開発をすでにおおむね完了しており、現在は量産技術の確立や(原材料などの)サプライチェーン構築の問題解決に取り組んでいるという。同社は2027年に固体電池の少量生産を開始し、2030年前後に大規模生産の実現を目指している。
(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は7月31日
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