大切なのは"適量"を守ること…医師が警鐘「食物繊維を意識しすぎる人」を待ち受ける《意外な裏目》

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つまり、塩分が多く、たんぱく質や脂質が不足している状態は、老化を進めるだけでなく、血管にも悪影響を与え、高血圧や動脈硬化、そして脳卒中など命に関わる疾患の引き金になる可能性があるのです。

また、これまで「卵は1日1個まで」とされてきた説も、今では否定されつつあります。健康な人であれば、毎日2個程度食べても問題はなく、たんぱく質と良質な脂質の補給源として優秀な食材です。

ただし、高脂血症や脂質異常症などの持病がある人は、医師の指導のもとで量を調整する必要があります。

時代が変われば、栄養学の常識も変わります。「昔ながらの粗食が一番」という思い込みは、今ではむしろ健康を損なうリスクにもなり得るのです。大切なのはたんぱく質・脂質・塩分のバランスを意識した"現代型の適食"を取り入れること。長生きしたいなら、食べる内容をアップデートする必要があります。

顔や足がむくむ人は「塩分とカリウム」に要注意

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「むくみ」は脂肪ではなく、細胞のすき間に水分がたまった状態です。原因は水分やお酒のとりすぎよりも、塩分とカリウムのバランスの乱れにあります。

体内では、カリウムがナトリウム(塩分)を排出する役目を果たしますが、カリウムが不足すると塩分をうまく排出できず、血液の塩分濃度が高くなり、それを薄めるために水分をため込んだ細胞が外にしみだしてむくんでしまうのです。

日本高血圧学会によると、1日の塩分摂取の目安は男性は7.5g、女性なら6gとなっています。

ラーメンには5~6g、みそ汁にも1g以上の塩分が含まれ、普段の食事だけでも過剰になりがちです。塩分を控え、カリウムが豊富な野菜類や果物類、海藻類を積極的にとることがむくみの予防につながります。

白澤 卓二 医学博士、白澤抗加齢医学研究所所長、お茶の水健康長寿クリニック院長

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しらさわ たくじ / Takuji Shirasawa

1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、東京都老人総合研究所老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーなどを経て、2007年より2015年まで順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授。寿命制御遺伝子やアルツハイマー病などの研究が専門。テレビの健康番組や雑誌、書籍などのわかりやすい健康解説が人気。

著書・訳書・監修に『「いつものパン」があなたを殺す』(三笠書房)、『世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事術』(サンマーク出版)、『アルツハイマー病 真実と終焉』(ソシム)、『アルツハイマー革命 ボケた脳がよみがえる』(主婦の友社)、『肥満遺伝子』(祥伝社)など多数。

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